外資系コンサルティングファームの選考を突破するうえで、多くの候補者が不安を感じるのが「英語面接」です。
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「自分の英語レベルで通用するのか?」
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「ケース面接の英語対応はどう準備すべきか?」
本記事では、代表的な外資系コンサルティングファームの英語面接の流れや求められるスキル、頻出質問の答え方を体系的に整理し、候補者が安心して準備できる実践的なヒントを解説します。
目次
外資系コンサルの英語面接はどう進む?
自己紹介→ケース→行動面接の流れが定番。英語面接は、双方向の会話型で、複雑な内容を論理的・構造的に分かり易く話す力が必要とされます。各段階の評価軸を事前に把握し、準備の優先順位を定めましょう。
代表的な戦略コンサルティングファームの英語面接の特徴
マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)
行動面接+ケース面接で60分前後/1回 複数ラウンド。
日本語面接が中心だが最低1回は英語面接が入ったという報告が多い。PEI(パーソナル・エクスペリエンス・インタビュー)とケース面接の二本立て。
ボストン コンサルティング グループ(BCG)
行動面接+ケース面接。
面接プロセスのどこかで、表やグラフを解釈したり、暗算や簡単な計算したりする定量テストや、語学力のアセスメントが入ることがある。英語面接は、質疑応答形式ではなく、対話形式。
ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)
2–3ラウンドで、実案件由来のケースで思考プロセスを重視。
アクセンチュア(Accenture)
Web適性→グループディスカッション(英語レベルや協働姿勢を見る)→(職種によりコーディング/技術などを確認)→個別面接という流れがあるという報告
プライスウォーターハウスクーパース Strategy&(PwC Strategy&)
テクニカル面接+行動面接+最終(モチベーション/カルチャーフィット)の三段構え報告。
45分×3~4回、全て回の回において実務ケース。
※テクニカル面接は、現実のビジネス課題を題材に、仮説立案→分析→試算→提言までを英語/日本語で双方向に進める。
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- 1. コミュニケーション力
複雑な内容を分かりやすく説明し、相手との双方向の対話を通じて信頼を築く力。 - 2. 商業意識(ビジネス理解)
業界や市場、収益構造を理解し、利益やインパクトを意識した提案をする力。 - 3. 分析力・論理的思考
情報を整理し、論理的に問題を構造化して解決策へと導く力。 - 4. 説得力と傾聴力
相手の意図を正確に把握し、納得感のある提案や交渉ができる力。 - 5. チームワークとリーダーシップ
多様なメンバーと協力しつつ、状況に応じて自ら主導して成果を出す力。 - 6. 問題解決力
正解のない複雑な課題に取り組み、実行可能なソリューションを導き出す力。 - 7. 適応力(柔軟性)
変化の激しい環境でも冷静に判断し、素早く行動を切り替えられる力。 - 8. 学習敏捷性(Learning Agility)
新しい知識や経験から学び、次の状況に素早く応用できる力。
英語レベルはどのくらい必要?
TOEIC/TOEFLの点数は目安であり、面接時は、英語で論理展開し双方向に伝えられるかが核となります。英語を高いレベルで扱える力は、入所後の配属や案件の幅を広げる。(ファーム/職種により要求される程度は異なります。)
マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)
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英語は必須。世界中のオフィスで、「英語と現地語の両方に堪能であること」が求められます。
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面接ではケースは英語、PEI(Personal Experience Interview)は日本語という構成がよくあります。少なくとも1ラウンドは英語で実施されます。
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役職・役割によってはTOEIC 860相当(C1レベル)以上が求められることもあります。
ボストン コンサルティング グループ(BCG)
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英語での業務遂行力が重要。バイリンガル枠では、定量テストが実施されることもあります。
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ケース面接は日本語が中心ですが、部分的に英語で進められることもあります。
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日本語が必須とは限らず、特に国際系のトラックでは英語だけで進む選考も可能です。
ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)
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一般的にバイリンガル(英語+日本語)での高い業務遂行力が期待されます。特に管理業務補佐など役割によっては、ビジネスレベルの両言語の使用が必要です。
アクセンチュア(Accenture)
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採用段階から英語での選考実施が一般的で、日本語不要という求人も多くあります。応募条件としてTOEIC 855 以上や同等レベルの英語力が望ましいこともあります。
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一部プロジェクトでは英語環境が一般的で、英語主体で業務が行われることもあります。
プライスウォーターハウスクーパース Strategy&(PwC Strategy&)
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PwCグループ全体では英語・日本語ともにビジネスレベルでの堪能さが望ましいとされています(Japanese Business Network枠での募集では明記あり)。
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Strategy&(PwC戦略部門)ではグローバル案件への対応も多いため、特に高い英語運用力が求められます。
頻出質問と答え方(PEI / ケース)
自己紹介・Why系・行動面接を英語で即答。骨子を先に定め、具体エピソードと数値で説得力を補強。
PEI(Personal Experience Interview):人間性やリーダーシップ資質を探る質問
例1:自己紹介
Tell me about yourself.
自己紹介をしてください。
以下の組み立てとポイントを参考に、回答を作りましょう。
現職の役割→代表実績(定量)→強み→なぜコンサルへの転職を希望しているか。
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現職の役割
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代表実績(数値つき)
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強み(コンサル資質と接続)
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なぜコンサル? なぜ、このファーム?
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キャリア仮説との合致
例2:リーダーシップ事例
Tell me about a time when you led a significant project. What was your role, and what were the outcomes?
重要なプロジェクトを率いた際の話をしてください。あなたのロールは?結果は?
Star法を用いて回答を作ります。
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Situation(状況)
- プロジェクトの背景や目的を簡潔に説明。
Task(自分の役割)
- 具体的にどんな責任を担ったかを明示。
- ここでは「リーダーシップ」を問われているので、意思決定・調整・推進の要素を強調。 -
Action(取った行動)
- チームをどうリードしたかを具体的に。
- ここで 論理性+コミュニケーション力 を見せるのがポイント。 -
Result(成果)
- 数字と客観性を重視。定量的(売上○%増、コスト削減△円など)+定性的(顧客満足、社内評価) な回答を作成。
- 加えて「学び」を一文加えられると、さらに好印象。
Case:論理的思考力・構造的アプローチを試される質問
ケース例:ドイツ銀行の収益低下
The CEO of Deutsche Bank has become increasingly concerned about their declining profitability over the last 36 months and has asked you to determine the factors causing the decline as well as recommend a strategy to reverse this trend.
ドイツ銀行のCEOは、過去36か月間にわたる収益性の低下に対してますます懸念を抱いており、その原因を特定し、この傾向を逆転させるための戦略を提案するよう、あなたに依頼しました。
出展:PrepLounge
1. 問題の再定義・明確化
例えば、純利益ベースか。特定の部門に絞った問題か。それとも全社的な傾向か?
2. フレームワークを提示
売上面、コスト面、業界・外部環境を切り分けて分析。
3. 仮説を立てる
「収益性低下の主要因は欧州の低金利政策による金利収益の圧迫と、規制対応によるコスト増加ではないか」といった仮設を提示。
4. 分析したいデータを示す
利ざやの推移、部門別の利益率、コスト構造の内訳などのデータなど
5. 戦略提案
「短期的施策」と「中長期的施策」を分けて戦略を提示
英語に関しては、サインポスト、前提の述べ方、数値の表現、締めの要約などを適切に行い、思考の筋道を見せる。
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サインポスト:「First, I’ll clarify the objective. Second, I’ll size the market…」
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数値の置き方:「If we assume X% conversion… the revenue would be roughly…」
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締めの要約:「To recap, our recommendation is A because B/C; risks are D/E with mitigations F/G.」
コンサルの英語面接での逆質問
Q: コンサルの英語面接で逆質問は何を聞くべきですか?
A: チームの課題や直近の案件、評価制度など、面接官の経験に即した質問が効果的です。「質問をする」のではなく、質問の形で、自分の考え方や関心を自然にアピールすることを意識しましょう。
例1: 配属チームの課題に関する質問
What are the main challenges your team is focusing on this year?
「実際に自分が働くチームの状況」を聞くで、「配属後の貢献を意識している」ことをアピールします。
例2:直近プロジェクトからの示唆を問う質問
From the recent projects, what trends do you see shaping client priorities?
最近の案件を題材に質問することで、事前調査をしっかりしてきた姿勢と関心が伝わります。
例3:育成・評価スタイルに関する質問
How does the firm evaluate consultants’ performance and support their development?
働く環境やキャリア成長に関心を持っていることを伝える質問です。
オンライン面接当日のマナーと流れは?
前日の回線・音声・画角チェック、当日は5〜10分前の入室を。当日は自己紹介・ケース・逆質問の時間配分を意識し、終了後はフォローアップメールまで実施できるようにしましょう。以下、詳細を解説します。
1. 前日準備
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技術確認:回線速度チェック、音声(マイク・イヤホン)、画角(頭から胸まで映るバストアップ)を確認。
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背景:シンプルな背景かバーチャル背景を使用。
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ライト:顔に自然に光が当たるよう調整。逆光はNG。
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服装:原則オフィスカジュアル〜スーツ。上半身だけでなく全身を整えておくと安心。色は落ち着いたトーンで。
2. 当日
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入室:開始5〜10分前にオンライン会議室に入室し待機。
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デバイス通知:スマホ・PCの通知はオフ。
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冒頭挨拶:
Good morning, thank you very much for your time today. I’m looking forward to our conversation. など短い定型を準備。
3. 面接中(60分想定)
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時間配分を意識
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話し方:カメラ目線・はっきり・少しゆっくりめで。
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ノート:紙のメモを手元に置く。タイプ音は避ける。
4. 面接終了〜直後
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終了挨拶:
Thank you for the insightful discussion today. I appreciate the opportunity and look forward to the next steps. を用意。 -
退出:笑顔で退室。
5. その後のアクション
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振り返り(質問内容・改善点をメモ)
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次ラウンドの想定準備を即実施
よくある質問(FAQ)|外資系コンサル英語面接対策
Q: 英語が完璧じゃなくても大丈夫?
A: 英語の完璧さよりも、「論理的に整理されていて会話が成立するか」が重要。グラマーに多少のミスがあっても、意図が明確に伝わり、双方向のコミュニケーションができるかの方が評価されます。サインポスティングや明快な構造化に意識を持ちましょう。
ただ、双方向のコミュニケーションを取るには、しっかりした基礎(リスニング・スピーキング)が必要となります。
Q: 英語力はどの程度必要ですか?スコアの目安は?
A: マッキンゼー・BCG・ベインなど、公式に「TOEIC何点以上必須」とは公表していません。実際の面接では、ケース面接やPEIをいかに英語でこなせるかが重視されます。
しかし、応募者の多くがハイレベルなので、応募時の目安はTOEIC800点以上、選考の際に有利になるラインは850〜900点程度、外資戦略ファームではそれ以上あると安心でる。TOEICは何度も受験してコツを掴むことで、高得点を狙えます。
Q: 何を優先的に準備すべきですか?
A: 以下の3つを中心に準備するのが効果的です:
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ケース:構造化されたフレームワークやサインポスト表現を練習し、本番でも自然に使えるようにしましょう。実際、フレームワークを使うと、考えがまとまり易いです。
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STAR形式の行動事例:自己紹介やPEI質問に備え、わかりやすく整理し英語で話せるようにしましょう。
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志望ファームへの理解:志望動機は面接の最初に聞かれる重要質問。明確に構成された回答を準備しましょう。
アットイングリッシュの英語面接対策ご受講者の感想
McKinseyの英語面接とは(人生初の英語面接でオファーを頂く)
外資系企業転職英語面接 – McKinsey & Company 合格