ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、ネイティブ講師と議論するアットイングリッシュのオンライン英会話レッスン。
今回は「育児休暇の取得率の推移について」という英字新聞記事を使って、英語でディスカッションする際のポイントと、その議論の中でネイティブ講師たちが作った英語例文から、仕事で役立てるためのビジネス英会話で使える表現をご紹介いたします。ここでのディスカッションの組み立てや、使われるビジネス英語表現を、実際のお仕事でも、是非、お役に立てください。
目次
オンライン英会話でネイティブ講師と話してみよう! 議論の概要
最近、私どもに寄せられるご相談の中で、妊娠されたり出産されて、産休、育休中なので、この間に英会話力をキッチリと伸ばしておきたい、というお話しを幾つかいただいております。
お仕事に復帰されるときのために、一つ確実にスキルを伸ばしておこうとお考えになるのは、素晴らしいと思います。
とはいえ、妊娠中、出産後は、ご自身を大切にすることが赤ちゃんを大切にすることと考えていただいて、無理のないようにご受講いただければとお伝えさせていただいております。
ちなみに、出産前に自分は何をしていたかなぁ、、、と思い出してみまして、一番始めに頭に浮かんだのは、「子どもの名前を考えること」でした。
ということで、ベネッセさんが公表している、2016年人気名前ランキングを探してきました。(たまひよ2016年人気名前ランキング)
男の子
1位.蓮(れん) 2位.大翔(ひろと) 3位.陽翔(はると)
女の子
1位.陽葵(ひまり) 2位.陽菜(ひな) 3位.結愛(ゆあ)
となっていますが、実は、このランキング、漢字別ランキングと、読みランキングに分かれていまして、ご紹介したのは漢字別ランキングです。
たとえば、男の子の名前で三位の陽翔(はると)は、この漢字の「はると」の順位であって、「はると」という、読みの名前では、陽翔、陽斗、悠人、遥斗、晴斗、大翔、悠翔、陽人、晴翔、晴人、と10通り以上ありまして、読みランキングの方では、「はると」が堂々の8年連続1位なのだそうです。
同じ読みの名前でも、「漢字の組合せ」は多様化していて、漢字に想いを込めて、個性を表現する傾向が強くなっているとも考えられているのだとか。
話しは産休、育休に戻りますが、今回、議論の作り方、ビジネス英語表現をご紹介させて頂いているのは、育児休暇の取得率の推移についての記事です。
ちなみに、育児休暇取得率は、現在、女性が81.5%、男性は2.65%だそうです。
今後、もし男性の取得率も上がってきたとすると、男性が子供の名前を考えるために使う時間も伸びていって、このランキングで紹介される名前の雰囲気も変わってくるかもしれませんね。
オンライン英会話で、どう話す? 議論の内容
少子高齢化が進んだため、最近では子育て支援に注目がよく集まりますが、育児休暇(いわゆる育休)の取得率がどのくらいか、ご存知でしょうか。
女性が81.5%、そして、男性はというと、2.65%です。ちなみに女性の方は、1996年には50%程度でしかなかったものが、80%超まで上昇してきましたが、2006年くらいから小幅で上がったり、下がったりと横ばいになっている感があります。この育児休暇取得率、高いと見ますか?まだまだ、低いと見ますか? また、この取得率の上昇は、どのような効果を出すのでしょうか。
オンライン英会話でネイティブ講師と英語で話し合ってみてください。
オンライン英会話での注意点と学びのポイント
オンライン英会話での注意点
オンライン英会話で、海外に居るネイティブ講師との議論。今回は、厚生労働省の調査による、男女別の育児休暇取得率の推移を表わした統計が話し合いの中心となっています。
そこで、今回はオンライン英会話で話すときに教材で統計資料を扱う際の注意点を3つご紹介させていただきます。
オンライン英会話での注意点(1)
まず、統計資料が話題の中心となる以上、その出処(source)はとても重要です。
(オンライン英会話で、遠隔で話す者同士が共有する資料です。その資料の性質を共有することは重要です。)
今回でいえば、厚生労働省が公表している資料ですので明確ですが、例えば、これが業界団体などが会員企業や会員企業の利用者のみを調査したものであれば、そこにはバイアスがかかる可能性は十分あります。たとえば、大きな業界団体が2つ存在し、1つは中小企業の会員が多く、もう1つは大企業のみというような場合は、その業界団体の性質を考慮して資料を見る必要があります。
また、すべてをカバーしている調査結果ではなかったとしても、正確ではないというスタンスを取って話し合いを終えてしまうよりは、その調査の性質を考慮して議論を進めよう、という方針の方が建設的と言えるでしょう。
オンライン英会話での注意点(2)
統計資料が何を表わしているのか注意してみましょう。
(オンライン英会話で話し合う際、同じ資料を見ていても、その資料が示すものを共有していなければ、話し合いは噛み合いません。逆に共有がきちんと出来ていれば、そのオンライン英会話レッスンはとても有意義なものとなるはずです。)
例えば、この英字新聞記事を読んだ際、最近、出産の準備のために勤務先から長期の休暇を貰った女性同僚の顔が浮かんだかもしれません。でも、この統計資料が表わしているものは、それとはちょっと異なります。
詳しい方はご存知かもしれませんが、上記の女性同僚がとるお休みは、法律的に産前産後休業と言われます。英語でいうと、maternity leave です。
そして、今回の記事で話題の中心となっているのは、childcare leave、つまり育児休業、育休です。前者は出産する女性のみが取得可能ですが、後者は男性も取得可能で、そのため、男女の取得率の比較が可能となっています。
ちなみに、産前産後休業では、通常、出産前6週間、出産後8週間、合計14週間の休業が労働基準法により認められています。一方、育児休業の方は、産休の産後部分8週間終了後から、基本的には子どもが1歳に達するまでに取得するものとなっています。育休については、会社に賃金支払い義務はありませんが、賃金や1年を超える期間については会社毎に就業規則で上乗せしているケースが多くあります。
つまり、この統計資料が示すものは、出産で仕事を辞めなくてはいけないか、休まなくてはいけないかではなくて、出産から約2か月経った後、誰が仕事とバランスをとりながら、育児を負担しているか、ということになります。
オンライン英会話での注意点(3)
海外では、産休、育児は手厚く優遇されている、というイメージは本当でしょうか?
(私たちは多かれ少なかれ、ステレオタイプのモノの考え方を有しています。それを意識して、オンライン英会話レッスンの中では個別、具体的にモノを見る様に努力してみましょう。)
2017年3月にアカデミー助演女優賞の受賞者で国連親善大使でもあるアン・ハサウェイは、ニューヨーク国連本部で行ったスピーチでアメリカの状況を以下のように語っています。
「どういうわけか私を含めてすべてのアメリカの親たちは(子供が生まれてから)3カ月間、無収入で休んだ後に通常の生活に戻るものだと想定されている」、しかし、実際には「アメリカの母親の4人に1人は、休んでいる経済的余力がないため、出産後2週間で仕事に復帰している。この現実を聞いて、私は胸が痛くてたまらなくなった」(NEWSWEEK 日本語版 3月11日)ということだそうです。
また、このNEWSWEEKの記事では、Family and Medical Leave Act(FMLA)という法律が、従業員の産休を取得する権利を規定しているものの、休暇取得の権利を認めるのみで産休中の給与は保証されていないこと、また、そもそもこの権利が認められるには勤続年数や会社規模などの条件があり、その条件を満たせずにこの法の恩恵を受けられない労働者はアメリカ全体の40%に上るとも伝えています。
海外、しかも先進国といっても、欧州とアメリカでは事情は違うようです。
ビジネス英会話への、オンライン英会話での注意点の応用
3つの「オンライン英会話での注意点」をご紹介させていただきました。これらは、海外の同僚やビジネスパートナーたちと仕事をする際のビジネス英会話の中でも有効です。
ビジネス英会話向けに以下のように要約できます。
(1) 資料や情報をベースに、会議、交渉を進める場合には、その資料、情報の出処に注意を払おう。
(2) 資料や情報が何を表わしているのかを客観的に整理し、つまり何を示しているのかを見極めよう。
(3) 「海外は日本よりも状況が良い」或いは逆に「日本は海外より状況が良い」といった、ステレオタイプの考えに囚われず、個別、具体的に考える癖をつけよう。
是非、ビジネス英会話でも活用されて下さい。
オンライン英会話を活用する、学びのポイント
3つの注意点に気をつけた上で、オンライン英会話レッスンの中で議論をどういう方向へ持っていくかは、あなた次第です。中心を、育児の話題にするか、女性の権利の話しにするか、日本の職場環境の変化について語るのか、または2017年に日本政府が力を入れている働き方改革と絡ませながら、男女の取得率の違いの意味するところ、そして、その取得率を変えていくとすれば、どういう意図でどのように変えていくべきなのか、統計資料をベースに英語で議論してみてください。
まとめと、論点
1. ネイティブ講師とのオンライン英会話のレッスンを活用して、英語での議論の作り方について考える。今回は「育児休暇の取得率の推移について」という英字新聞記事を使用。
2. 日本での育児休暇取得率は、厚生労働省の調べでは、女性で81.5%となっており、1996年頃に50%程度であったことを考えると、育児休暇の取得が社会で一般化したように見えるが、取得率が80%を越えてから足踏み状態になっているという事実もある。
3. もう一方の議論として、男性の取得率は近年、上昇しているにも関わらず、未だに2%台となっており、幼い子供の育児負担が女性に集中しているとも考えられる。
4. 統計資料を用いた、オンライン英会話レッスンでの注意点としては、以下3点が挙げられる。
(1) 統計資料が話題の中心となる以上、その出処はとても重要。
(2) 統計資料が何を表わしているのか注意する。
(3) 海外の状況についてのステレオタイプな考え方は控える。
5. オンライン英会話レッスンでの3つの注意点は、ビジネス英会話でも有効。
オンライン英会話での議論を、ビジネス英会話へ応用できる英語表現集
ネイティブ講師たちとオンライン英会話で、この議論を行った際に使用された英語表現の中から、仕事での英語コミュニケーションで使える表現を選出しました。是非、実際のビジネスの場でも使用して、お役立てください。
今回は、育児休暇のトピックであったため、人事系の英語表現、男女比較や職業観に関わる英語表現をご紹介させていただきます。
1. I can pick up on the meaning because I am an HR staff.
私は人事部所属なので、その意味(意義)が分かります。
2. There didn’t use to be any provision.
以前は何も規定がありませんでした。
3. My company would fill my position with someone else temporarily.
会社は一時的に他の人で私の仕事を埋めてくれます。
4. to maintain a good standard of living
良い生活を維持するためには、
5. Hardly anyone takes extensive childcare leave.
育児休暇を延長する人は、ほぼ居ません。
6. You did a wonderful job of articulating the state of …. .
…の状況について、とてもクリアに説明してくれて、素晴らしかったです。
7. It sounds like you have a good strategy for … .
…. について、何か上手い手があるようですね。
8. It’s harder to get promoted.
昇進させてもらうのは難しいです。
9. compared to what it used to be fifty years ago
50年前に比べれば、
10. I might not deserve the fully salary because I didn’t contribute directly to the company.
直接貢献できていないので、給料全額には値しないでしょう。
【ご利用上の注意点】
1.社会人、主にビジネスパーソンを中心に、中級、上級者向けの英会話練習を提供するサービスとして、このサイトを運営しております。
2.オンライン英会話の中で、実際にネイティブスピーカーの講師たちが使用した、またはアドバイスした内容をご紹介していますが、特定の個人や立場を表わす内容については編集を加えています。
3.あくまで、ビジネスパーソンを中心とした社会人の英会話力向上を目指したサービスであり、ここで紹介される主義、主張、意見や議論をサポートするものではありません。
4.また、ここでご紹介する内容の正確性や有効性について保証するものではありません。言葉は、時と場所、その状況や、声のトーンによっても意味を変えます。恐れ入りますが、ご自身でご確認の上、ご使用ください。
オンライン英会話を活用し、仕事で使えるビジネス英会話の習得をサポートします。
2017年 5月 25日編集