ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、英語で議論するアットイングリッシュのオンライン英会話レッスン。ここでは議論の中での、ネイティブ講師たちからの英語表現についてのアドバイスを公開します。
今回は、「民法714条、責任無能力者の監督義務者等の責任を除外する6つの基準」の話題です。この話題を中心に、様々な角度からの議論を通して、ネイティブ講師たちが作った多彩な英語表現をご紹介します。
なお、ここでは、社会人、ビジネスパーソン向けの英語表現を集めております。更に、これらの英語表現をビジネスの状況でどう使うか、ご興味をお持ちの方々は「上手いビジネス英会話の作り方」をご覧になってみてください。
<オンライン英会話での、この議論の概要と学びのポイント>
講師と距離がグッと近づくオンライン英会話の活用術
オンライン英会話での、主な論点1
– 認知症の老人を抱える家族には、どんな負担が生じるでしょうか?
超高齢化社会の中、認知症を患う人の数も急増しています。厚生労働省の「認知症高齢者の現状」という報告によると、2010年の時点で280万人、2015年で345万人、2020年には410万人に達するとされています。
当然、認知症患者を介護する家族の数も増えていく訳ですが、具体的にどんな負担が生じてくるでしょうか?
ネイティブの英語表現とその例文1 to maintain 24 hour supervision 24時間、面倒を見る
24時間見守り続けなければならない中、仕事や子育て、家事とのマルチタスクとなります。
They have to maintain 24 hour supervision of their family member. / They have to keep the person with dementia under constant supervision. / They need to watch out for them always.
24時間ずっと見ていなければなりません。/ 認知症の人を常時、管理していなければなりません。/ いつも注意していなければなりません。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(to maintain 24 hour supervision)
(to keep the person with dementia under constant supervision)
(to watch out for them)
ネイティブの英語表現とその例文2 dementia 認知症
介護のための時間と、介護に必要な環境や設備を整える必要もあります。
The family who has a member with dementia needs both time and money.
認知症の人を抱える家族は、時間もお金もかかります。
ネイティブの英語表現とその例文3 to keep a watchful eye over __ ~を見守る
ただ見るというのではなく、to keep a watchful eye で注意深く見守るという意味になります。
At the same time, it is quite difficult to keep a watchful eye over the old people every hour of the day.
同時に、一日中、常に年老いた家族に注意を向けておくのは、相当難しいです。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(to keep a watchful eye over the old people)
(every hour of the day)
ネイティブの英語表現とその例文4 we don’t know how long it will last どのくらい続くのか分からない
危なくないように注意深く見守るという意味では子育ても同じですが、手が離れる時期が来ないという点が違いかもしれません。
When we raise a child, the hardest time is usually only the first 2 or 3 years, but when we’re looking after the elderly, we don’t know how long it will last.
育児であれば、大変なのは最初の2、3年ですが、お年寄りの面倒を見るとなると、先が読めません。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(we don’t know how long it will last)
ネイティブの英語表現とその例文5 their family members who are afflicted with dementia 認知症の家族がいる
気を付けて見守っていても、事故が起きてしまう事があり、その際にはやはり、家族が責められてしまいます。
Families are blamed for accidents caused by their family members who are afflicted with dementia.
痴呆症を病んでいる家族が起こした事故について、責められます。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(their family members who are afflicted with dementia)
ネイティブの英語表現とその例文6 a heavy burden for the families 家族にとって大きな負担
短期的にではなく、先が見えない中で常に注意をしておくのは、大きな負担になります。
They need to keep an eye on these patients for the whole day, which is a heavy burden for the families.
一日中認知症患者を見ていなければならず、これは家族にとって大変な負担です。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(to keep an eye on)
(a heavy burden for the families)
オンライン英会話での、主な論点2
-裁判所の判断が、地裁、高裁、最高裁と分かれたことについて、どういう背景があると思いますか?
認知症患者が原因で起こった事故について、地裁、高裁、最高裁で判断が分かれました。それぞれの判断には、どんな理由や背景があるのでしょうか?
ネイティブの英語表現とその例文7 heading to ~に向かう
Heading to は~に向かっているという表現です。We are not heading to fiscal crisis. というように、財務状況などについて説明する際にも使える表現です。
Japan is heading to become an extremely aging society.
日本は、極端な高齢化に向かっているのです。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(heading to)
(an extremely aging society)
ネイティブの英語表現とその例文8 a big controversy 大きな議論を呼ぶ
Controversy や Controversial は、議論の際、大変よく使われる言葉です。
It’s a big controversy.
大きな論議をよぶ問題です。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(a big controversy)
ネイティブの英語表現とその例文9 twenty-four seven support 24時間365日のサポート
ビジネスのグローバル化が進み、常に地球上のどこかでビジネスが動いている中で、twenty-four seven の対応は、仕事の中で求められています。
The government offered to provide twenty-four seven support for this man.
政府は、この男性に対して、24時間365日サポートするという申し出をしていたのです。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(twenty-four seven support)
ネイティブの英語表現とその例文10 While his wife was taking a nap 仮眠している間に
介護の疲れのためのほんの少しの仮眠の時間に起きた不慮の事故であるという面も、考慮されたのでしょう。
While his wife was taking a nap, he went outside and caused an accident.
奥さんがちょっと仮眠をとっている間に、男性は外に出て事故を起こしてしまったのです。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(While his wife was taking a nap)
ネイティブの英語表現とその例文11 be estranged 疎遠になっている
高齢化と共に核家族化も進み、家族の形も多様になってきた社会的背景もあります。
There are many different kinds of families, including those that may be estranged. It is unrealistic to expect family members in families like that to be responsible for members of their family whom they no longer have a relationship with.
本当にいろんな家族があり、疎遠になっている家族もあります。そんな人たちに、連絡をとってない家族について責任を取ることを期待するのは、現実的とは言えません。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(including those that may be estranged)
(members of their family whom they no longer have a relationship with)
ネイティブの英語表現とその例文12 an overriding concern 大きな問題
平成25年10月現在で、日本の国民の実に4人に一人が65歳以上というバランスになってきています。若い人が多い時代に考えられなかった事が、急激に大きな問題として迫ってきています。
The Japanese society in the past was probably relatively youthful, which meant that the issue of dementia wasn’t an overriding concern.
かつて日本の社会は比較的若く、認知症はそんなに大きな問題ではありませんでした。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(which meant that)
(an overriding concern)
オンライン英会話での、主な論点3
‐ 最高裁はどう判決を出しましたか?
– その判断をどう評価しますか??
主な論点2で出てきたような背景の中、最高裁判所は、このケースについて、どう判断したのでしょうか?その判断を妥当だと思いますか?
ネイティブの英語表現とその例文13 made the opposite judgement 逆の判断をする
make the opposite/ wrong/ right judgement で、逆/間違った/正しい判断をしたという表現になります。Judgement の代わりに、decision も同様に使えます。
The Supreme Court made the opposite judgement.
最高裁は、逆の判断をしました。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(made the opposite judgement)
ネイティブの英語表現とその例文14 the obligation to pay for damages caused by that man/ liability for damages he caused (認知症の)男性が起こした事故に対する責任
超高齢化に向かって進んでいる状況が、判断が分かれる背景としてあるようです。今回の判断は、今後の同様の事故に対して、大きな影響を与える事になるかもしれません。
There was a court case which resulted in a decision to release the family of a man with dementia from the obligation to pay for damages caused by that man / liability for damages he caused.
認知症の男性が原因で起こった事故に対し、その家族の賠償を免責とする判断を下した裁判事件がありました。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(a court case which resulted in a decision)
(the obligation to pay for damages caused by that man/ liability for damages he caused)
ネイティブの英語表現とその例文15 an impending aging society in Japan 日本の切迫した高齢化問題
情報を収集、精査し、問題がある事を認識したら、それに合った判断や解決策を下していくというプロセスは、こういったケースも、仕事での判断も同じです。
The new judgement is an appropriate recognition of an impending aging society in Japan.
この新しい判断は、日本の切迫した高齢化を、きちんと認識したものです。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(an impending aging society in Japan)
ネイティブの英語表現とその例文16 It is a grey area 微妙
よく、グレーゾーンと言う言い方で日本語でも使いますが、A grey area とはハッキリとしたルールや決まりがなく、どう対処して良いか迷う問題について使います。
It is a grey area, but I agree with the Supreme Court’s ruling.
微妙な判断ですが、最高裁の裁定に賛成です。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(It is a grey area)
(the Supreme Court’s ruling)
ネイティブの英語表現とその例文17 take proper care of that person 適切に面倒をみる
今回のケースは免責となりましたが、認知症家族の事故について過度な擁護が広がると、反対に振り子が振れて、こういう問題も起こる可能性があります。
If the family that has a person with dementia is protected too much, the family may not take proper care of that person.
認知症の人を抱える家族を過度に守ると、その家族が患者の面倒をしっかりみなくなるかもしれません。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(take proper care of that person)
ネイティブの英語表現とその例文18 the typical population pyramid is upside down 普通なら人口ピラミッドは逆です
人口ピラミッドのバランスが崩れている中、ケース毎に判断するという難しい状況が当面続くかもしれません。
We have a higher percentage of older people than younger; in Japan, the typical population pyramid is upside down.
日本は若い人より老人の割合が高く、普通の人口ピラミッドが逆になっている状態です。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(the typical population pyramid is upside down)
まとめ
認知症の老人を抱える家族には、
– 時間負担
– 経済的負担
– 常時介護が必要という精神的負担
– 外部からの非難があり得る精神的負担
があり、終着点が見えない中でこれを負うことが挙げられました。
今回、認知症老人の起こした事故に対する賠償について、地裁、高裁、最高裁と判断が分かれた背景としては、超高齢化社会と、それを支える家族の形の変化があるようです。
最終的な最高裁の判断に対しては、この超高齢化社会の時代背景を鑑み、同意する意見も多々見られる中、過度な擁護は、家族の責任の放棄につながりかねないという新たな問題提起もありました。
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