ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、英語で議論するアットイングリッシュのオンライン英会話レッスン。ここでは議論の中での、ネイティブ講師たちからの英語表現についてのアドバイスを公開します。
今回は、「アベノミクス第二弾、一億総活躍社会について」という話題です。この話題を中心に、様々な角度からの議論を通して、ネイティブ講師たちが作った多彩な英語表現をご紹介します。
まずは、働き方改革についての理解から深めていきましょう。
目次
英語で「働き方改革」は何て言うの?
ズバリ、首相官邸が使っている表現は、Work Style Reform です。
(以下、首相官邸の英語サイトから抜粋です)
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Prime Minister Shinzo Abe held the 10th meeting of the Council for the Realization of Work Style Reform, at the Prime Minister’s Office.
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この改革については、労働条件(conditions)を変えるというより、発想や仕組自体を変革しようというものですね。
英語で「働き方改革」をどう説明するの?
首相官邸サイトに掲載された説明では、こうなっています。
「働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。」(首相官邸ホームページより)
外国人に説明するときには、そもそも「一億総活躍社会」という発想が少子高齢化による、労働人口の減少から来ていることを伝える必要があるかもしれません。
(例)
The ultimate goal of The Prime Minister, Abe’s “Work style reform” policy is to realize The Japan’s Plan for Dynamic Engagement of All Citizens which is against the state of decreasing labor population based on the aging society problem.
「働き方改革」は、そもそも何の問題を解決しようとしているの?
首相官邸サイトでは「経済社会の現状」が以下のように分析されています。
「人口問題という構造的な問題に加え、イノベーションの欠如による生産性向上の低迷、各人的技術への投資不足。日本経済の再生を実現するためには、投資やイノベーションの促進を通じた付加価値生産性の向上と、労働参加率の向上を図ることが必要。」
労働参加率を向上させるには、女性や高齢者の就労が必要で、投資やイノベーションを促進するためには、企業が新規事業や新しいビジネス分野へ挑戦し易くなるように、人材の流動化を促進し、そんな環境下で個人が働き易くなるために、正規雇用に留まり、会社に出勤していることが一番割が良いというシステムを改めて、同一労働同一賃金や、時間に応じた給与体系から、パフォーマンスに応じた評価への変更が必要ということでしょうか。
「働き方改革」を構成する問題を英語にすると
Redress long working hours :長時間労働の排除
Engaging women and elderly in work(女性、高齢者の就労促進)
Create environment for easier changing jobs :転職をし易い環境作り(人材流動化)
Establishing universal rules for dismissals (解雇ルールの確立)
Supporting career changes(転職支援)
Redress disparities :不当な待遇格差の是正
Equal pay for equal work(同一労働同一賃金)
Narrowing gaps in working conditions between regular and non-regular workers
英語で考える、働き方改革への様々な意見
To urge and encourage women and the elderly to head back to work, it is essential to redress the custom of working long working hours, and to cultivate a work environment which allows a diversity of working styles, based on the principle of “equal pay for equal work”.
女性や高齢者を労働力とするならば、長時間労働の習慣は排除し、同一労働同一賃金の原則の下で、多様な働き方を認める職場環境を作ることが大切です。
It is an illusion to assume that just reducing working hours will improve on productivity. When the government encourages companies to shorten the working hours, it will also cause the companies to hire more people, or to invest in its facilities.
働く時間を減らせば、生産性が上がるだろうと考えるのは幻想です。政府が企業に労働時間を短縮させれば、その分、企業はもっと人を雇用したり、設備に投資することとなります。
主な論点1 政策「働き方改革」「一億総活躍社会」に対する意見
一億総活躍社会やそれに関連する政府の政策をみんなが支持すると思いますか?
内閣がアベノミクスの第二弾として掲げたスローガン、「一億総活躍社会」について、どういう考え方を持つかを聞いています。政府は、労働人口を増やすため、一億総活躍社会をスローガンに推し進めていますが、実際、国民はどの程度これを支持しているのでしょうか。
英語表現1 働き方改革を支持(意見を支持)
Most people are very supportive of his policies.
多くの人が、彼の政策をとても支持しています。
意見に対する賛成反対を表明する表現は、立ち位置を明確にするためにも重宝します。ここに使われているBe supportive も是非活用してください。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(Most people are very supportive of his policies.)
英語表現2 議論を呼ぶ
That is a quite controversial topic. / There is much controversy surrounding that topic.
これはかなり議論を呼ぶ話題です。
Controversial は、頻出表現です。散歩両論、非常に議論が活発に行われる問題や、イシューについて使われます。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(a quite controversial topic)
(There is much controversy surrounding that topic.)
英語表現3 最終決定
The government has decided to raise taxes, but its decision is not yet finalized. For the final decision to take place, there has to be an election next year.
政府は増税を決めていますが、まだ最終決定ではありません。決定を下すにあたり、来年選挙を行わなければなりません。
議論が行われ、それが最終的に決定となる際、the decision is finalized という風に使われます。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(but its decision is not yet finalized)
(For the final decision to take place)
(there has to be an election)
英語表現4 働くことと日本人の親和性
There’s an affinity between the Japanese and work.
日本人はよく働きます。(日本人にとって「仕事」は、とても親和性のある言葉です。)
良いモノと親和性がある、と言われると嬉しいですね。ここでは、日本人と仕事に親和性があると言っており、一生懸命頑張る国民性が認められたようで、誇らしいです。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(There’s an affinity between the Japanese and work)
英語表現5 新たな政策の意図
The government’s new policy suggests that women should work harder than men.
政府の新たな政策は、女性に男性より働けと言っているようなものです。
女性が普通に働ける社会を作ることに、政府は力を入れています。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(The government’s new policy suggests that)
主な論点2 「働き方改革」は必要か否か
働き方を柔軟にすることは、大切だと思いますか?
働き方改革の必要性について考え、実際それをどうやって実現していくのかについても考えます。
英語表現6 働き方について再考を促す
The Government should re-examine the work culture in Japan so that people can have more of a work/life balance.
国民がより良いワークライフバランスを持てるように、政府は日本人の働き方について再考すべきです。
今までの決定事項や、考え方などについて、改めて考え直すという意味で、re-examine という表現を使っています。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(re-examine the work culture in Japan)
英語表現7 働き方改革が、休暇をとれる職場環境を作る
If possible, I’d like our company to create an atmosphere where we feel free to take our paid holidays.
できれば、有給休暇を気兼ねなくとれるような雰囲気を職場で作って欲しいです。
法律やルールとして物事を進めていくことも大切ですが、企業レベルで、時間的に柔軟に働ける雰囲気作りをする事の方が、かえって個人の生活や行動に大きく作用する場合があります。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(an atmosphere where we feel free to take our paid holidays)
英語表現8 働き方改革に効果を出す、ロールモデル
There are some people (in my company) who don’t take their paid holidays at all but my boss does; I think this is good because it means I don’t feel reluctant or ashamed to take my own holidays.
私の会社では、有給休暇を一切取らない人もいますが、私の上司は取ります。これは良いことだと思います。おかげで休暇が取りづらかったり、申し訳ない気持ちになることがありません。
上司が率先して、柔軟に働き、休むロールモデルとなれば、その部署全体の空気が変わります。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(I don’t feel reluctant or ashamed to take my own holidays)
英語表現9 働き方を変える、早急な対応の必要性
We don’t have time to spare to gradually adjust our habits.
習慣を悠長に変えている場合ではありません。
少子高齢化が進み、労働人口が急激に不足する中、徐々にビジネスカルチャーを変えている暇はありません。
「上手いビジネス英会話の作り方」で使ってみよう!
(We don’t have time to spare to gradually adjust our habits.)
まとめ
今回は、アベノミクス第二弾、一億総活躍社会について議論して頂きました。この政策に対する賛否を伺い、柔軟な働き方の必要性やその実現の仕方について話しましたので、意見に対する立場の表明に便利な表現が並びました。
__ are very supportive
a quite controversial topic
There is much controversy
its decision is not yet finalized
the final decision to take place
会議で使える表現がたくさん並びました。是非、ご活用下さい。
なお、ネイティブ講師による、オンライン英会話の@English(アットイングリッシュ)では、この記事でご紹介したような内容で、ディスカッションやプレゼンテーションの練習をしています。
無料の体験レッスンもご用意しておりますので、ぜひ一度お試しください。
お読み頂きまして、ありがとうございました。
【この議論から学ぶ、ネイティブ講師の英語表現とビジネス英会話への応用】
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<働き方改革>
英語で「働き方改革」を議論|ネイティブ講師が使った英語例文集-2
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