ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、ネイティブ講師とオンラインで議論するアットイングリッシュの英会話レッスン。
今回の記事は、「119番への通報の70%が実は不要」という話題です。英語でディスカッションする際のポイントを幾つかご紹介いたします。ここでのディスカッションの組み立てや、使われる英語表現が、実際のビジネスでの会議でもお役に立てれば幸いです。
<この議論での英語表現>
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集1:不要な通報
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集2:不要な通報
目次
【オンライン英会話での議論の概要と紹介】
「緊急時の救急車を呼ぶのを有料化すべき」
英語ディベートのモーションとして、よく使われます。この記事で紹介されているように、救急の電話の70%が実は不要だとすれば、やはり有料化すべきという方向に議論も向いてしまいそうです。実際に、海外では有料となっている国も多くあることですし。
では、有料化に反対する理由としては、どんなものが考えられるでしょうか。ここまで不利な状況で、実際にまだ無料で救急車の利用が許されているということは、よほど強い理由があるはずです。
一般的に、そして、とても強い反証としては、有料化することによって、本当に救急車が必要な際に、本人、家族、または周囲に居る人たちが躊躇して、救急車を呼べず、それが原因で命を落とすようなことになってもよいのか、というものがあります。
国や地方自治体の財政も厳しい中、どこまで手厚くサービスを提供しなくてはいけないのでしょうか。また、不要な出動要請がそれだけ多くては、本当に救急車が必要な人への出動が遅くなってしまいそうです。この問題、英語で、ネイティブ講師を相手に、どのように説明し、どのように論理的に自分の意見を説明できるでしょうか。是非、お試しください。
【オンライン英会話で行う議論の内容】
緊急時に救急車や消防車を呼ぶための「119番」。
2014年には、824万回コールがあったそうです。そして、その70%が不必要だったり、緊急ではなかったという調査結果が初めて公開されました。
現状では、救急車や消防車を呼ぶのは無料で、現場の職員は緊急事態と言われれば、電話を切ることはできないため、この状態では本当に緊急事態になっている人へのサービスに支障が出ると心配しています。
この70%を分解すると、24%がただの質問、6%がいたずらや間違い電話、7%が搬送不要で、30%が軽症です。
この状況を改善する方法はあるでしょうか。
【オンライン英会話での注意点と、学びのポイント】
まずは注意点からです。人は誰しも意見があるもので、オンライン英会話のレッスンで英語で意見を伝える練習をしている理由は、実際のビジネスの状況と違い、発言や意見の影響を考えず、思うままに発言できるからかもしれません。ですが、折角、アットイングリッシュで英語コミュニケーションを練習して下さっている方々には、是非、その上のレベルを目指していただきたいと、いつも願っております。それは、ご自分の発言、意見の影響力を意識していただきたい、ということです。言いたいことを言いたいように言い放つだけであっては、単に自己満足で終わってしまう可能性が高いです。聴き手は、特に興味も引かれることは無いでしょうし、影響を受けることも無いでしょう。しかし、ご自身の発言、意見の影響力を意識し始めると、聴き手にももちろん学ぶところ感化されるところがあり、そして、聴き手の行動が変わっていきます。そして、あなた自身にとっても、そこから学べるところは大きいはずです。
ビジネスでの会議の場に状況を置き換えれば、申し上げていることの違いは顕著です。ブレインストーミングのようなアイディア出しであっても、また、敵対するような交渉であったとしても、単に自分の自己満足のような発言は敬遠されるのではないでしょうか。なぜなら、そこに学びがあったり、影響をお互いに受けあったりすることこそが、わざわざ人が集まって会議を行っている理由だからです。特に、英語で言われるところの「会議への参加」とは、会議の場に居ることを意味するのではなく、他の参加者に影響を与え、話し合いに貢献することを意味します。
【学びのポイント】影響力のある発言をする。「比較」を有効に活用し、インパクトを与える
聴き手への影響力を意識するという観点で、ご自身の発言にインパクト、そして、説得力を持たせる1つの方法として、今回は「比較」の活用をご紹介させていただきます。
救急車の有料化をいくら叫んでみたところで、ある意味、ただの自己満足にしかならないかもしれません。相手が「あ、そうだな。」と思うような論理展開があってこそ、始めて影響力が発揮されたと言えるのではないでしょうか。では、どのように上手く説得できるのでしょうか。それこそが、今回の「比較」です。
例えば今回のようなケースでは、比較する対象は、「有料」と「無料」を比べたときに、何を得られいて、何を失っているのか、そして、双方の失っているものが回復される余地はないのか、ということです。
例えば、前述の「有料化することによって、本当に救急車が必要な際に、本人、家族、または周囲に居る人たちが躊躇して、救急車を呼べず、それが原因で命を落とすようなことになってもよいのか」という議論については反論がしづらいです。これは「無料」のケースで得られているものを大きく支えている議論です。
しかし、例えば、救急車を呼ぶ費用を健康保険の適用対象として、必要な場合であれば保険が適用されるとしたら、どうでしょうか。
ビジネスの場でも、この方法は重宝するはずです。単に自分の意見を言うのではなく、状況を比較し、得ているもの、失っているもの、そして、失っているものの回復を考える。もちろん、これをビジネス会議で、英語で説明するわけですが、既にこの時点で論理的に整理されていますので、きっと遣り易いはずです。
ネイティブ講師による、オンライン英会話の@English(アットイングリッシュ)では、ディスカッションを通じて、ネイティブならではの英語フレーズや話し方をトレーニングするカリキュラムをご用意しています。
無料の体験レッスンもありますので、ぜひ一度お試しください。
【まとめと、論点】
1. 119番には年間800万件以上の救急車、消防者の出動要請の電話がかかる。しかし、調査の結果、その70%は不要なものだった。
2. この状況を改善する方法が議論されており、有料化が1つのアイディアとして挙げられている。
3. ビジネス会議での発言では、単に自己満足的な発言に終わることなく、参加者への影響を意識して、発言してみると良い。特に海外と行われる英語の会議においては、参加は「会議の場に居る」ことを指すのではなく、他の参加者に影響を与え、会議へ貢献することの意味となる。
4. ビジネス会議への他の参加者へ影響を与える発言方法の1つとして、比較がある。単に自分の意見を言うのではなく、状況を比較し、得ているもの、失っているもの、そして、失っているものの回復を考える。
5. 英語のビジネス会議で、その説明を行う場合には、既に論理的に整理されているので説明し易いはず。
【ご利用上の注意点】
1.社会人、主にビジネスパーソンを中心に、英会話力で、中級、上級者向けの練習を提供するサービスとして、このサイトを運営しております。
2.オンライン英会話の中で、実際にネイティブスピーカーの講師たちが使用した、またはアドバイスした内容をご紹介していますが、特定の個人や立場を表わす内容については編集を加えています。
3.あくまで、ビジネスパーソンを中心とした社会人の英会話力向上を目指したサービスであり、ここで紹介される主義、主張、意見や議論をサポートするものではありません。
4.また、ここでご紹介する内容の正確性や有効性について保証するものではありません。言葉は、時と場所、その状況や、声のトーンによっても意味を変えます。恐れ入りますが、ご自身でご確認の上、ご使用ください。
2016年12月19日編集