ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、ネイティブ講師とオンラインで議論するアットイングリッシュの英会話レッスン。
今回の記事は、「パナマ文書の衝撃」という話題です。英語でディスカッションする際のポイントを幾つかご紹介いたします。ここでのディスカッションの組み立てや、使われる英語表現が、実際のビジネスでの会議でもお役に立てれば幸いです。
<この議論での英語表現>
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集1
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集2
目次
オンライン英会話でネイティブ講師と話してみよう! 議論の概要
2016年4月、代表的なタックスヘイブンの1つである、パナマの法律事務所で流出した内部文書が公開されました。いわゆる、パナマ文書です。今回は、このパナマ文書のトピックです。
租税回避に対する厳しい世論が、違法か合法かの枠を超えて、パナマ文書を含む、一連の流れの中で形成されてきたことは、確かかもしれません。
税金逃れを厳しく批判してきた、イギリスのキャメロン首相(当時)のケースでは、パナマ文書で亡父のタックスヘイブンでの投資が明らかになり、
その投資が違法ではなくても、国民のキャメロン氏への信頼には影響したようですし、2016年8月には、欧州委員会が、アップルが欧州拠点を置くアイルランドに対して、同社へ最大130億ユーロ(約1兆6千億円)を追徴課税するように命じました。
アップルは、アメリカやアイランドの税法を順守していると主張していますが、欧州委員会は、アップルの税法違反を主張せず、アイルランドのアップルに対する措置が、特定企業を優遇し、公正な競争を阻害する「国家補助」にあたるため、過去の優遇分とその利息を追徴課税するように、と命令しています。
ちなみに、アイルランドの法人税率は、12.5%と低いことで有名ですが、欧州委員会が示したアップルの実質的な法人税率は、0.005%だったそうです。(日経新聞2016年12月21日より)
パナマ文書と租税回避について、是非、英語で話しあってみてください。
オンライン英会話で、どう話す? 議論の内容
パナマ文書についてです。パナマに拠点を置く、法律事務所モサック・フォンセカの内部文書約40 年分が、何者かによってドイツの地方新聞社へ持ち出され、そこからアメリカのNPO 団体の協力を得て、内容の分析が進められているものです。いわゆるタックスヘイブンで、ペーパーカンパニーを用いて行われている不透明な取引の実態、特に、脱税やマネーロンダリング、権力者による資産隠しや不正蓄財が明らかになるのではないかと期待されています。
影響としては、既にアイスランドの首相、スペインの大臣が辞任に追い込まれた他、英国のキャメロン首相、習近平国家主席を含めた共産党の常務委員会メンバー8 人、ロシアのプーチン大統領たちが、親族、知人名義で取引が存在していたことを公表されています。このパナマ文書、どのような影響を世界に与えるのでしょうか。
オンライン英会話での注意点と学びのポイント
【まずは注意点】
海外の先進国にいるネイティブ講師たちとディスカッションする、オンライン英会話の仕組みとしては、今回のトピックのような、国際的な問題は、ネイティブ講師たちと受講生たちと共にシェアする問題として議論しやすいという側面はありますが、その一方で、今回の「パナマ文書」のように複雑な内容で、カバーしているトピックが多い場合には、持っている情報、聴いた話しによって、個人間でイメージや問題意識が異なっている場合があります。
「パナマ文書」という共通の言葉は使っていても、お互いに何を問題として意識しているのかが異なっていては議論にならないので気をつけましょう。
【そして、学びのポイント】
オンライン英会話で、国際問題のような“大きなトピック”について話すときには、ただ単にその名称(例えば、今回の「パナマ文書」)を言って、「これが問題なのはわかりますよね」というような暗黙の了解を作ろうとするのではなく、何が問題なのか、何が焦点なのかを含めて、まずはその概要を英語で説明できるように準備をしましょう。そして、それを英語での議論の土台にできるようにすれば、レッスンがより充実したものになるはずです。
まとめと、論点
1.パナマの法律事務所の内部資料が持ち出され、タックス・ヘイブンと呼ばれる租税回避地で、誰がどのようなビジネス活動をしているかがわかる「パナマ文書」が公開された。
2.国のリーダーやその親族の名前もあり、政治的な影響も出ている。
3.国際的な問題は、海外の先進国にいるネイティブ講師と話す、オンライン英会話のトピックとして扱い易い面もあるが、実際、人によって持っている情報やその事件に対するイメージが異なることは理解しておいた方が良い。
4.オンライン英会話の特長を活用して、国際問題のような“大きなトピック”について話すのであれば、何が問題なのか、何が焦点なのかを含めて、まずはその概要を英語で説明できるように準備をしておくと、内容理解にも役に立つし、英語でのプレゼンテーションの練習にもなる。実際に国際的な環境で行われるビジネスミーティングでは、特別な言葉を使うときには、その定義などの説明を入れることは大変有用となる。
この議論から学ぶ、ネイティブ講師の英語表現とビジネス英会話への応用
<この議論での英語表現>
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集1
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集2
ビジネス英会話へ応用できる英語表現集
ネイティブ講師たちとオンライン英会話で、この議論を行った際に使用された英語表現の中から、仕事での英語コミュニケーションで使える表現を選出しました。是非、実際の職場でも使用して、お役立てください。
今回は、国際問題についてです。国家や法律、モラル、イメージや税金、ビジネスなど、多岐にわたった英語表現がカバーされています。
1. It is just a part of the picture. :それは全体像の一部に過ぎません。
氷山の一角という表現がありますが、まさにそういったイメージです。
2.stretch the rules :ルールを(拡大解釈して)悪用する。
通常、悪い人のイメージは、法を破る人、ルールに抵触する人ですが、権力者が悪い場合には、ルール自体を悪用することも可能なのでしょう。
3.beyond the scope of my imagination :想定外、想像の範囲を超えたもの
ビジネスでは、想像の範囲を超えた出来事は、結構起こります。次のビジネスチャンスを得るためには、その事象自体が珍しいことだったのか、それとも自分自身の想像力の範囲に問題があったのか、その検証は必要になります。
4. I’m not in the same language as the people in this article.:この記事に出てくる人たちは、私にとっては別世界の人たちです。
基本的に、オンライン英会話で、言語や文化の異なる人たちとコミュニケーションを取り慣れていると、この表現はピンと来ないかもしれませんが、language(言語)で世界を仕切ったイメージの表現です。
5.a whistle blower :内部告発者
ウィキリークスが有名になって以来、whistle blower(内部告発者)という言葉も認知度が急速に高まりました。また、企業活動に関連した分野では、誤ったビジネス慣行を正すなどの目的で、法制度的に内部の不正を暴く、内部告発者やその利益を保護する動きも出てきました。
6.opened the door for discussion of ~:~についての議論のキッカケになりました
ある事件や言動によって、人々が問題意識を持ち、議論が始まるということがあります。
7. We have noted already, :ご承知の通り、もうわかっているように
8. from an ethical perspective :倫理上の観点から
ビジネスでは特に、法律的に問題があるとはいえなくても、倫理上の問題が問われることがあります。それが企業や製品、サービス、または企業活動そのもののイメージにつながることがあるからです。
9. It may cause people to think negatively about you. :あなたについて人々に悪いイメージを与えかねない
10. Just the fact that … decreases its credibility. :単に…という事実だけで信頼を損ねてしまう。
【ご利用上の注意点】
1.社会人、主にビジネスパーソンを中心に、英会話力で、中級、上級者向けの練習を提供するサービスとして、このサイトを運営しております。
2.オンライン英会話の中で、実際にネイティブスピーカーの講師たちが使用した、またはアドバイスした内容をご紹介していますが、特定の個人や立場を表わす内容については編集を加えています。
3.あくまで、ビジネスパーソンを中心とした社会人の英会話力向上を目指したサービスであり、ここで紹介される主義、主張、意見や議論をサポートするものではありません。
4.また、ここでご紹介する内容の正確性や有効性について保証するものではありません。言葉は、時と場所、その状況や、声のトーンによっても意味を変えます。恐れ入りますが、ご自身でご確認の上、ご使用ください。
2017年 4月 7日編集