Sorry(ごめんなさい)。誰もが知っていて、使い易い謝罪の英語表現にも思えますが、その一方で、相手がその謝罪を受け入れてくれなければ、残念ながら意味を成しません。
そして、相手がこちらの謝罪を受け入れてくれるかどうか、そこに影響を及ぼす幾つかの大きな要素の中に、「礼儀正しさ」と「誠実さ」があることは、英語でのコミュニケーションでも同じです。大切なのは、それらをキチンと言葉(英語)に乗せること。
単に謝っても、「ゴメンで済むことではない!」と思われてしまうかもしれませんし、たとえ、たくさんの補償を用意しても、「金で済まそうと思っているのか!」と相手が感じてしまったら、問題をこじらせてしまうかもしれません。
今回は、そうならないように、礼儀正しさと誠実さが伝わる、英語での謝罪の、ポイントとその英語表現をご紹介させていただきたいと思います。
目次
英語で謝るときの、6つのポイント
謝るときに大切なことは、日本語でも英語でも同じですが、まずは申し訳ない気持ちでいることが伝わること、そして、その上で、あらためて信頼関係を回復することです。
まずは、以下の6つのポイントをご覧になってみてください。これらをいつでも全て、謝罪のときに含めなくてはいけないというわけではありません。状況に応じて、織り交ぜながら必要なものを含めてください。そして、それらを英語で表現できるようにしましょう。
1. 礼儀正しく、謝罪の気持を表す
2. 間違いの起こった原因、状況を把握し、説明する
3. 相手への迷惑、損害を認識していることを示す
4. 責任の所在の認識を示す
5. 問題に対して、どう対応するかを伝える
6. 再発の防止、同じ間違いが無いよう約束する
次は具体的に、英語でどのように表現すれば良いのか、ネイティブの英語例文を参考にしながら見ていきましょう。
1.礼儀正しく、謝罪の気持ちを表す:英語の「ごめんなさい」「申し訳ございません」「すみません」
なんらかの被害、迷惑を被り、謝られる側の立場になってみれば当然ですが、謝罪する側の態度、口調、使っている言葉遣いなど、礼儀正しさを欠いていれば、何かと気に障るものです。ビジネスの場面では特にそうですが、礼儀正しい謝罪を心がけましょう。
カジュアルな謝罪
先述したように、態度、口調、使っている言葉遣いなどで、カジュアルさや礼儀正しさが顕れます。
例えば、”Oops”、”Oh!” などを、sorryの前に付けると非常にカジュアルなニュアンスになります。「あ、ごめん!」「お、ごめん!」といった感じです。
また一般的に、口にする文章の長さにも、礼儀正しさが顕れると受け止められます。この意味では、”Sorry about that.” は、「すみません」「ごめんなさいね」程度です。
礼儀正しい謝罪
基本的にある程度長くなると「礼儀正しく」なる理由は、文章の中で、「~して申し訳ございません」「~の件、ごめんなさい」といったように、謝罪の内容や原因、経緯の説明が入るからです。Sorry という言葉も省略せずに、I’m sorry、或いは、We are sorry という形で口にする方が礼儀正しく響きます。
I am (We are) sorry for __. ~して、ごめんなさい
I am (We are) sorry about __. ~について、お詫びします。
I’m very sorry about that. Let me review the specifications on my computer.
ご不便をおかけして、申し訳ありません。コンピューターで仕様を確認させて下さい。
We are very sorry about the shipping delay.
We are very sorry about the problem that was caused by the shipping delay.
シッピングの遅れによって生じた問題について、お詫びいたします。
I’m sorry about the problem with hearing you, but in the end whatever you did really worked and I could hear you loud and clear.
聞き取れなくてごめんなさい。でも最終的にそちらでの対応して頂いたのが奏功し、クリアに聞こえるようになりました。
I apologize that I failed to __. ~をできず、申し訳ございません。
I apologize that I failed to reconfirm the order when we receive the complaint about it.
それについてのクレームを受けた際、オーダーを再確認せず、申し訳ありません。
I apologize for __. ~して申し訳ありません。
I apologize for being late.
遅れて申し訳ありません。
I am (We are) sorry (that) __. ~の件、申し訳ありません。
I am sorry の後には、節を用いて、何について謝罪しているかを表現することもできます。
I’m sorry for the large number of mistakes in the quotation.
見積書に、非常に多くのミスがあり、申し訳ありません。
I’m sorry that this situation has caused you such inconvenience.
大変ご迷惑をおかけしまして、申し訳ありません。
I’m sorry. I didn’t mean to __.
I’m sorry, I didn’t mean to take you away from your work.
ごめんなさい、邪魔をするつもりは無かったのです。
謝る気持ちの強調:「本当に申し訳ありません」「誠に申し訳ありません」
I am sorry は、very や really、terribly などを入れて、謝罪の気持ちを強調できます。また、for __ 以下を足して、何について謝っているのかを表現します。
I’m terribly sorry for the inconvenience.
ご不便をおかけして、本当に申し訳ありません。
I am so sorry for any distress this may have caused you.
不快な思いをさせてしまって、本当にごめんなさい。
We’re very sorry for any inconvenience we’ve caused you.
ご不便をおかけしまして、誠に申し訳ございません。
※会社や組織を代表して謝る時には、we を使って謝ります。
I’m particularly sorry for __. ~について、特にお詫びします。
I’m particularly sorry that there was a sudden disconnection of the phone at the end of our conversation.
会話の最後に急に電話が切れてしまったこと、特に特にお詫びいたします。
あらたまった謝罪の定型文句、頻出文言
どうぞお許しください:Please accept my (deepest/ sincere) apologies.
Please accept my apologies for the lateness of these notes, however, we had another winter storm yesterday and I was without power.
コメントが遅くなったこと、どうぞお許し下さい。昨日また嵐があり、電気が切れてしまったのです。
正式にお詫び申し上げます:Please accept this as my formal apology for __
Please accept this as my formal apology for not being able to make a presentation at the summit last night.
昨晩サミットでプレゼンテーションを行えなかったことについて、正式にお詫び申し上げます。
お詫びさせて下さい:Please allow me to apologize for
Please allow me to apologize for the inconvenience. As you know, we don’t usually have problems like this, so I hope you can excuse us this time.
ご不便をおかけしたこと、お詫びさせて下さい。ご存知のとおり、通常はこういった問題は起こりませんので、今回はご容赦頂ければと存じます。
心から申し訳なく思っています:I would like to express my deep regrets for
I would like to express my deep regret for not being able to be of assistance when you had that problem with the client’s complaints.
クライアントからのコンプレインに関して問題があった時、お役にたてず、心から申し訳なく思っています。
2.間違いの起こった原因、状況を把握し、説明する(謝罪に添える言葉)
原因や状況が説明されると、謝罪される側にある程度の理解や納得感が生まれるかもしれませんし、こちらは情報を隠そうとしているわけではないと伝われば、誠意も示し易くなります。
~により問題が生じました:The defect/problem was caused by __
The defect was caused by human error and was not a system issue.
今回の欠陥は、システムの問題ではなく、人為的なミスによるものです。
The problem was caused by a lack of information on the part of the Distribution Department.
この問題は、流通部に情報が行ってなかったために起こりました。
間違いは~によるものでした:The error was due to __
The error was due to the miscommunication between headquarters and our local staff.
その間違いは、本社とローカルスタッフの間で誤解が生じたことによるものでした。
起因する要因があり、その結果として: __. As a result __.
Our internal communication was not good enough. As a result, we sent the wrong parts for your order.
内部でのコミュニケーションが充分ではありませんでした。その結果、オーダーと違ったパーツを送ってしまいました。
要因が何だったかわかった、気づいた:We realized _______.
We realized that there was a defect in the document after we asked printers to bind the copies.
印刷会社に製本を依頼した後、その書類の不備に気づきました。
3.相手への迷惑、損害を認識していることを示す(謝罪に添える言葉)
日本語で言えば、「大変ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。」で言うところのおかけしてしまった“ご迷惑”の内容をこちらがわかって謝っていることを伝えるのが主旨です。
相手に1万円の損害を出させてしまったのか、1,000万円の損害を被らせたのかでは、当然、謝罪、補償の方法も変わってきます。
承知しております:We understand that this caused you __
We understand that this caused you to waste precious time prior to the point when we amended the mistakes.
私達が修正するまで、この件で、大切な時間を無駄にさせてしまったこと、承知しております。
I understand that our actions meant __
I understand that our actions meant that you lost the data source you were using to analyze current market trends.
私達の行為により、今のマーケットトレンドを分析するのにあなたが使っていたデータソースを無くす事態になってしまったことを認識しております。
お気持ち、わかります:I can imagine that you felt like __
I can imagine that you felt like you were ignored when we didn’t respond to you within a short period of time.
すぐにお返事しなかったために、無視をされているとお感じになったことでしょう。
4.責任の所在の認識を示す(謝罪に添える言葉)
責任の所在を明確にすることで、言い逃れたいのではなく、謝罪をしたいことが伝わります。また、新たに信頼関係を築くための出発点となります。
責任があると認識しています:We recognized ___ was responsible for the error.
We recognized our distribution center was responsible for the error.
We consider our distribution center to have been responsible for the error.
弊社の流通センターがこの間違いについて責任があると認識しております。
責任があると理解しております:We understand that we have full responsibility for __.
We understand that we have full responsibility for this mistake.
この間違いは全面的に私達の責任と理解しております。
__の責任は私たちにあります:We accept responsibility for __
We accept responsibility for this delay. Our understanding was that the changes in specifications were substantial, rather than minor, and this meant we also had to alter the basic concept and strategy of the campaign, which is what caused the delay.
この遅れの責任は私たちにあります。仕様の変更は小さなものではなく、大きいものと認識しており、これは私達もキャンペーンの基本コンセプトや戦略を変えなければいけないということを意味しており、遅れの原因となりました。
全ての責任を引き受けます:to take full responsibility for __
I’m willing to take full responsibility for the faults with this project.
このプロジェクトの失敗の全ての責任を引き受けます。
5.問題に対して、どう対応するかを伝える(謝罪に添える言葉)
申し訳ないと思っていることを伝えることとは別に、現実的には起こってしまっている事象、問題についてどのように対応するかは非常に重要です。ここに誠意が顕れてきますし、内容によっては謝罪が受け入れられるかもしれません。
早速、対応いたします:I will take immediate action ___
I apologize. I will take immediate action to ship a replacement order from our nearest branch, which will take approximately 2 to 3 hours for delivery
お詫び申し上げます。一番近い視点から代わりの物を、早速、送らせて頂きます。配送には約2~3時間かかるかと存じます。
もちろん、__させてください:We will happily __
Please accept our apologies. we will happily replace the missing parts of your ring.
申し訳ございません。リングの無くなったパーツにつきましては、もちろん、こちらで代替をご用意させて下さい。
__することができます(解決、救済方法の提示):We can __
We can use the information from the log to discover the point at which the error occurs.
どの時点でエラーが生じたか、ログの情報から発見することが出来ます。
私たちがご提示できることは:What we can offer to you is __
What we can offer you is next year’s campaign for free, or you have a 50% discount on the invoice.
私たちがご提示できる事としては、来年のキャンペーンを無料にするか、ご請求を50%ディスカウントすることです。
お待ちいただくことはできませんか?:Would you be willing to wait for __?
We will tell our distribution center to send Item XXX PYZ shortly but it will take two weeks at least. Would you be willing to wait for two weeks?
製品XXX PTZ をすぐに送るようディストリビューションセンターに指示しますが、少なくとも2週間かかってしまいます。2週間ほどお待ち頂けますでしょうか?
Three out of the four orders will be shipped to you today and the remaining item will take approximately two weeks for delivery.
4つ頂いたオーダーのうち、3つについては、本日発送いたします。他につきましては、デリバリーまで2週間ほど頂戴いたします。
~致しかねます:we will be unable to ___
We are very sorry you have had this problem, however as you would be aware we only guarantee full replacement within 2 months of purchase, so we will be unable to send you a new printer.
今回の問題、大変申し訳ございませんが、ご存知の通りご購入から2か月まで交換対応させて頂いておりますので、今回、新しいプリンターをお送りすることは致しかねます。
6.再発の防止、同じ間違いが無いよう約束する(謝罪に添える言葉)
現実的な対応としては、起こっている事象、問題に対しての行動と同様に、再発を防止することが重要となります。「また起こるのではないか」という不安があっては、誠意は伝わらず、謝罪も受け入れられない可能性があります。
同じ間違いが起こらぬよう、充分に努めます: to ensure it won’t happen again
We will make every effort to ensure this error won’t happen again by using checklists to check whether the necessary steps were taken.
必要な手順が取られているかチェックリストで確認することで、今回のような間違いが起こらないよう、充分に努めさせて頂きます。
再発を防ぐよう、___致します:We will (do __) to prevent this from happening again
We will hold daily meetings to review what happened during the day and to find solutions to prevent the same mistakes from happening again.
その日起こった事を見直すために毎日ミーティングを開き、同じ間違いを起こさないようソリューションを見つけていきます。
今後、__を徹底いたします:In the future, our focus will be on __,
In the future, our focus will be on quality management, so this situation won’t repeat itself.
今後、品質管理を徹底致しますので、こんな事はもう起こりません。
__をお約束いたします:I can promise you that __
I can promise you that the highest quality standards will be met as we proceed forward.
今後は、最高の品質をお約束いたします。
We’ll be increasing our efforts __
We’ll be increasing our efforts when it comes to the security of data storage, so that in the future that information won’t compromised again.
データストレージについて一層努力して参りますので、今後情報が洩れるような事はありません。
謝罪を受ける時の英語例
謝罪を受ける場合には、以下のような表現があります。
一般的な、カジュアルな謝罪の受け入れ
That’s OK.
That’s all right.
No problem.
No worries.
Don’t worry about that.
It’s all good.
フォーマルな謝罪の受け入れ
Apology accepted.
All is forgiven.
I forgive you.
That’s quite all right.
No harm done.
No need to apologize.
まとめ
仕事のミスや不備についての謝罪は、早く、誠意をもって謝るとともに、その後の対応や、今後間違いをどう防ぐのか対策についてもきちんと言及し、信頼を回復できるよう努めましょう。また、そのためにも相手やシチュエーションに合った、相応しい表現を使えるにしましょう。
謝罪を必要とする問題が発生したことは確かに残念ではありますが、誠意を示し、解決能力を見せることで、以前以上に信頼関係を築くことも可能かもしれません。頑張りましょう。