時事問題に関する英語での議論を通して、状況説明、意見の表明、相手の意見の受けとめ、フィードバックの提供など、英語でのプレゼンテーションやファシリテーションの練習にお役立てください。
目次
時事テーマ:脱炭素化とグリーン投資
SDGsやESG投資が注目を集める中、2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロ(正味ゼロ)にしようという動きが世界中で加速しています。そこに賛同を表明した日本も、まずはその前段階として、2030年までに、2013年度の排出量に比べて、46%の削減という大きな目標を掲げています。
このトピックでは、それを実現するための、世界情勢の認識と、投資とイノベーションの機会としてのビジネス上の意義、エネルギー分野の需要サイドと供給サイドの事情、変化を促すための新税導入とその効果的な投入の仕方が説明されています。
「脱炭素化に真剣に取り組まない企業は存続が危ぶまれる」とまで言われる状況は本当か、環境について、国、企業、消費者の立場から考えてみましょう。<2021年6月の記事より>
脱炭素化とグリーン投資に関する基本の英語
脱炭素化:decarbonization
脱炭素化する:decarbonize
【参考】
decarbonize the economy 経済を脱炭素化する
カーボンニュートラル:carbon neutral
【参考】
carbon neutral economy カーボンニュートラルな経済
go carbon neutral カーボンニュートラルにする
make … carbon neutral …をカーボンニュートラルにする
二酸化炭素の排出量:CO2 emissions
カーボンフットプリント:carbon footprint
(商品やサービスなどのライフサイクル全体(原材料調達から製造・販売・使用・リサイクル・廃棄まで)で排出される温室効果ガスの排出量をCO2の排出量に換算した指標)
【参考】
conduct a carbon footprint assessment カーボンフットプリントの評価をする
reduce the carbon footprint of … …のカーボンフットプリントを削減する
時事テーマの要約
Q. どのような内容か、要約してみましょう。
1. This article discusses the Japanese government’s aggressive commitments to reduce greenhouse gas emissions substantially by the year 2030, and even more so by 2050.
この記事では、2030年までに温室効果ガス排出量を大幅に削減し、2050年までにさらに削減するという日本政府の積極的な取り組みについて説明します。
2. It describes the challenges inherent in achieving these objectives and the need for significant private investment.
これらの目的を達成するために内在する課題と、多額の民間投資の必要性について説明しています。
3. The article also discusses the opportunities these commitments will generate to stimulate the Japanese economy and create a new era of growth and prosperity for its citizens.
この記事では、これらの約束が日本経済を刺激して、成長と国民生活の繁栄を造り出す機会になることについても論じています。
4. The idea that many governments have, including Japan, is to convert their efforts in this regard into an economic growth strategy. It is obvious that a lot of work still needs to be done, in particular in getting companies on board with their investment strategies, supporting green technologies.
日本を含む多くの政府が考えているのは、この件に関するその努力を経済成長戦略に転換することです。 特にグリーンテクノロジーを支援しながら企業を投資戦略に参加させるには、まだまだ多くの作業が必要なことは顕かです。
二酸化炭素排出量の削減
Q. 2030年までの二酸化炭素排出量の46%削減というのは可能でしょうか?
1. I very much doubt that this is the case, and this is not because the country lacks the wherewithal to develop superior technologies, but because there are heavily vested interests in traditional sources of power.
そうなるかどうか非常に怪しいと思っています。これは、国が優れた技術を開発するための手段を持っていないためではなく、従来の電力源に強い既得権益があるためです。
2. The government effectively has its hands tied by very powerful lobbying groups such as those supporting oil and coal.
政府は、石油や石炭を支持する非常に強力なロビー活動グループによって上手く両手を縛られています。
3. In order to achieve an opposite result, a different system of government would have to implemented, which set an agenda without pandering to these companies.
反対の結果を出すためには、政府に別の機構を作る必要があるでしょう。(石油や石炭を支持する)企業群におもねることなく政策課題を設定するところです。
4. The government’s actions have always fallen far short of their words in regards to global warming, climate change, and greenhouse gas reduction.
政府がとる行動は、地球温暖化、気候変動、温室効果ガス削減に関して、常に彼らの言葉にはるかに及びません。
5. Corporate profit and further enrichment of the ultrawealthy are the preeminent priorities of politicians desiring to be re-elected.
企業の利益と超富裕層を更に富ませることは、再選を望んでいる政治家の最優先事項です。
6. The capital cost commitments and cooperation required to achieve these goals by 2030 seem completely unrealistic here at the present time.
2030年までにこれらの目標を達成するために必要な資本コストについての関与と協力は、現時点では完全に非現実的であるように思われます。
気候変動対策に関するアメリカの姿勢
Q. 気候変動対策に関するアメリカの姿勢は、2050年までこのまま維持されるでしょうか?
1. I imagine it would depend on what sort of pressure the U.S. comes under both internally and from other countries and organizations outside of the U.S.
それは、アメリカが国内と、そして、他国や国外の組織からどのような圧力を受けるかによると思います。
2. There is likely to be a turning point where climate change has adecisively negative impact on the economy, as well as real estate, at which time the pressure to keep the commitment would increase.
気候変動が、不動産、そして、経済に対して決定的な悪影響を与えるターニングポイントとなるようなことが起こる可能性があり、そうなったときには、この約束に関する圧力は高まるでしょう。
3. America is challenged when it comes to environmental protection. In my opinion, it will take a monumental effort for them to sustain a serious drive forward in the effort to achieve significant reduction in the generation of greenhouse gases and the effects of global warming.
環境保護について、アメリカは課題を抱えています。私の意見では、温室効果ガスの発生と地球温暖化の影響を大幅に削減するために、彼らが真剣に前進するためには多大な努力が必要です。
4. Too many corporations are unwilling to sacrifice short-term profits for the betterment of the planet’s long-term health.
地球の状態を長期的に改善するために短期的な利益を犠牲にすることを望んでいない企業が多すぎます。
グリーン戦略、グリーン投資の重要性 – 脱炭素化に真剣に取り組まない企業はやっていけなくなる
Q.「脱炭素化に真剣に取り組まない企業はやっていけなくなる」(Companies that make no serious decarbonization efforts cannot survive.)という言葉がありますが、どう思いますか?
1. It may be that they can survive still economically, but if there is an increasing amount of political and social censure, they will eventually struggle to do business unless they adapt and change.
彼らはまだ経済的にやってはいけるかもしれませんが、政治的および社会的非難の声が増すと、それに応えて変化しない限り、最終的にはビジネスをするのが難しくなります。
2. There is also the likelihood that technological needs will change, along with the greener paradigm change, so these companies may be left behind.
より環境に配慮したパラダイムシフトとともに、テクノロジーのニーズが変化する可能性もあるため、これらの企業は取り残される可能性があります。
3. This means the speaker believes people will no longer support companies which don’t invest in greener manufacturing and production facilities in an effort to reduce their carbon footprint, either by refusing to buy their products, services, and stock offerings.
つまり、発言者は、製品、サービス、および株式の購入を拒否することによって、二酸化炭素排出量を削減するために、より環境に配慮した製造および生産施設に投資しない企業を人々がサポートしなくなると考えています。
4. I believe that there are many people who are committed to applying pressure to both governments and corporations in an effort to effect change, but I’m not certain that this will be sufficient to achieve the lofty goals.
変化をもたらすために政府と企業の両方に圧力をかけようとしている人はたくさんいると思いますが、この高い目標を達成するのにこれで十分かどうかはわかりません。
日本社会の気候変動への取り組み姿勢
Q. 日本社会は、真剣に気候変動に向き合う準備がまだできていない、という意見がありますが、どう思いますか?
1. I believe many people are truly concerned about the planet’s health, and the welfare of our future generations.
多くの人が地球が良い環境に保たれることと、次の世代の幸せに本当に関心を持っていると思います。
2. But, I’m unconvinced that we are prepared to accept the economic consequences associated with a formidable drive to achieve significant greenhouse gas reduction in a relatively short time period.
しかし、比較的短期間での大幅な温室効果ガス削減を達成するための物凄い動きに伴う経済的影響を受け入れる準備ができているとは確信できません。
3. Certainly, my country is coasting along, not too worried at this point about the issue. In general most people and the government pay little heed.
確かに、私の国はこの問題について今の時点であまり心配しておらず、惰性で進んでいます。 一般的に、ほとんどの人と政府はあまり注意を払っていません。
グリーンインベストメントは国の成長戦略になる?
Q. グリーンインベストメントは、国の成長戦略になり得るのでしょうか?
I do believe this is possible. But so far, our track record leaves much to be desired, despite the dramatic escalation in the frequency and severity of natural disasters.
私はこれが可能だと信じています。 しかし、これまでのところ、自然災害の頻度と深刻さが劇的に高まっているにもかかわらず、私たちのやってきたことには残念ながら物足りなさがあります。
ご紹介している内容は、英語でのDiscussion、Presentation、Facilitationの練習の中で出てきたご意見です。弊社の意見や立場を表明したものではありません。