会話の中で、「たった一つの英単語が出てこないために、話が詰まってしまった」
そんな経験ありませんか?
英語学習や英会話練習の中で、英単語の不足は、多くの人の悩みです。だからこそ、それについてのHow to本やサイトがたくさん出ています。
きっと皆さんも、TOEICの英単語攻略本やアプリで通勤途中に勉強したり、独自の英単語帳を作って整理するなど、努力されていることでしょう。
英語で的確に物事を表現するには、ある程度の英単語のストックが必要なのは衆知のとおりですが、英単語を覚えるのは、地道でけっこう時間がかかる作業です。
勉強に集中できる学生ならともかく、ビジネスパーソンは、限られた時間の中で、それを習得していかなければなりません。
今回は、ビジネスパーソのために、本当に使える英単語を増やすための、簡単な4ステップをご紹介します。
目次
ステップ1:英語表現の92%をカバーする、よく使われる基本英単語を押さえる
明治学院大学英文学科のCharles Browne教授ら研究チームが、英語の新聞や本、雑誌などで使用されている英単語を分析したところ、その92%が、よく使われる2800語の英単語によって構成されていたということです。
http://www.newgeneralservicelist.org/
2800語というとかなりの数に思えますが、実際にリストされている単語を見てみると、”a” “ability” “able” “about”などの非常に基礎的な単語が多く、既に知っている単語がほとんどです。
リストの中で知らない単語を洗い出して、まずはそれを覚える!
それだけで、英語コミュニケーションの9割がたを理解できるというのは、心強いですね。
なお、英会話を独学する方のために、英単語はもちろん、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能についての様々な独学法をご紹介する、英会話の独学|英語4技能とボキャブラリで強化する、英会話力の押し上げ! の記事もあります。併せてお読みください。
ステップ2:あなたのビジネスに必要な業界用語、英単語を押さえる
仕事で使うことが主目的なら、基本の英単語に加え、あなたのビジネスや業界関連の単語を増やしましょう。
業界関連の情報誌や新聞は、あなたが覚えるべき英単語を教えてくれます。好みに合う情報サイトを探して、読む習慣をつけましょう。
この方法の利点は3つあります。
ストーリーと共に覚えられる
記事のストーリーと共に入ってくるので、無理なく頭に入り、忘れにくい。
よく言われる事ですが、人は、物語が好きです。ストーリーとして読むと、情報やイメージが一緒に頭に入り、記憶への定着が各段に良くなります。
業界の最新ワードを知る事ができる
2010年のハーバード大学とGoogleの研究者たちの調査によると、単語の合計は102万2,000語あり、毎年さらに数千語ずつ増加していると考えられています。各分野で様々な技術や施策が考案されると、また新たなワードや略語が作られます。業界の情報サイトを読むことで、あなたの業界の新ワードをいち早く収拾できます。
業界関連の知識も同時に得られ、ビジネスに活用できる
英単語に加え、ビジネスに関係する知識も得られるため、スモールトークや、商談前のアイスブレイクの話のネタとしても活用できます。また、そういった場で使う事で、より一層、単語が頭の中に定着します。
覚える時のコツ
覚えるコツは、小さな声でも良いので音読し、口と耳を使う事です。目だけで読むのに比べて、実際の発話の際、躊躇が無くなり、使いやすくなります。
<英語業界紙の例>
ヘルスケア
http://www.modernhealthcare.com/
観光
https://www.traveldailynews.com/
食品・食品加工
http://www.foodprocessing.com/
その他、ご自身の業界の情報サイトを探してみて下さい。
ステップ3:「こなれ感」を出す同義語
日本語の文章やスピーチでも、同じ語彙を何度も繰り返したり、同じ語尾で結び続けると、単調で稚拙な印象を与えますが、英語では日本語での文章以上にそれが嫌われます。
ビジネス会議、スピーチ、プレゼンなどでは、単語や表現、センテンスの文法構成を変えて、バラエティをもたせるだけで、ネイティブのような「こなれ感」をぐっと演出できます。
ですから、ビジネスパーソンが英単語を覚える時には、意味の同じ単語を横に広げる事を心掛けましょう。
そこで、同義語・類義語を覚えるのに役立つウェブサイトを二つご紹介します。
楽しみながら英単語を習得できる – Vocabulary.com
https://www.vocabulary.com/dictionary/
「人が人の為に作った辞書」と謳っているだけあって、上手な先生が口頭で説明してくれる時のように、分かりやすく説明が書かれています。ユーモアを交えた解説もあり、このサイトの解説を読みながらだと、非常に覚えやすいです。
使い方は簡単。
調べたい単語を入れると、解説、同義語とともに、その単語を使った英語表現を見る事ができます。(アプリ(有料)もあります。)
例えば、”boost” と入れると、下記のように、かみ砕いて説明してくれます。
Think of the word boost as meaning “help up.” Maybe you need a boost getting over a fence (hmm — are you sneaking in or sneaking out?), or maybe you are feeling low and need to boost your spirits — chocolate, anyone?
同義語・類義語に加え、Usage Example として、ビジネス、ニュース、スポーツなど、各分野での使用例文も読むことができます。実際の新聞記事や雑誌での用例が出てくるので、通常の辞書にあるような架空の用例と違って、インパクトを伴って、頭に自然に入ります。
boost がビジネスの場で使用された用例は、下記のように紹介されています。
Sales got a boost in July from a 1.2 percent jump in auto sales, the strongest result since December.
Seattle Times Aug 15, 2017
At the same time, the start-up of new refining capacity is boosting demand.
Reuters Aug 15, 2017
同義語を増やす – thesaurus.com
synonymsモードにして検索すると、同義語を表示してくれます。
例えば、boost と入力 するとこんな風に出ています。
Relevance のボタンを操作する事で関連性の高い物をより濃い色で表示させたり、common にチェックを入れると、使われる頻度の高いものをピックアップしてくれたりと、整理してくれます。
全てを覚えるのは大変ですから、関連性の高いもの、使われる頻度の高いものを覚えると良いですね。
学習した単語を使って、キレイな発音での発話を目指すなら、
英語発音は矯正できる | ネイティブに好まれる、キレイな音(オト)の作り方 の記事が参考になります。
ステップ4:英単語を、本当の意味で「モノにする」
ビジネス英会話スクールの運営者として、数千人のビジネスパーソンの方々とお話しをし、英語についてのお悩みを伺ってきましたが、そのお悩みの断トツのナンバー1は、
「読むのは大丈夫ですが、スピーキングに自信がない」
「聞くのはなんとか。でも話すのはちょっと」
です。
上記までのステップで覚えた単語も、リーディングやリスニングで理解できる程度に知っているだけでは、この悩みは解消しません。仕入れた英単語は、仕事の場で活用できなければいけません。
ではどうするのか。
実際のスピーキングで何度も使って、自然に口から出てくるレベルまで引き上げる事です。
「知っている英単語」「覚えた英単語」は、人との会話の中で使い、それを相手が理解してくれた喜び(成功体験)を経て、真に「使える英単語」になります。
話している最中、言葉に詰まって調べた英単語や、相手から「あなたが言いたいのは〇〇のこと?」と指摘されて出た英単語は、かなりのインパクトを伴って、頭に深く根付きます。
スピーキングの中で得られる、この成功体験と失敗体験こそが、最終的に、本当の意味で英単語を覚えるための、最後のステップです。
仕事の同僚との会話で、ネイティブの友達との会話で、英会話スクールで講師を相手に、積極的に、この成功体験と失敗体験を積んでください。
まとめ
英単語を覚えるという目的に限らず、記憶術には、色々な方法が紹介されています。
映像として覚える、夜覚える、体を動かしながら覚える、しっかり睡眠をとる、1日数個覚える、一日に大量に覚えて忘れる繰り返しながら覚える…など、様々です。
しかし仕事もあり、家の事もあるビジネスパーソンが、その持久力を保つのは至難です。
基礎を押さえたら、仕事で使うもの、その類義語の順に覚えていく。そしてそれを使えるレベルに引き上げるために、とにかく使う。
この4ステップで、無理なく、実用性を考えて英単語と付き合っていきましょう。
ネイティブ講師による、オンライン英会話の@English(アットイングリッシュ)では、この記事で述べたようなビジネスの場で使える英会話をトレーニングし、身に付けることができます。
無料の体験レッスンもご用意しておりますので、ぜひ一度お試しください。
お読み頂きまして、ありがとうございました。