仕事での成果につながるビジネス英会話力(コミュニケーションスキル)を、ネイティブ講師とのオンライン英会話で、議論を通して身に着けていただくお手伝いをしております。
議論のテーマは、ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで多岐にわたり、考えて発話する内容の種類は、賛成や反対、比較や強調、時系列での説明、状況の描写や背景の解説、グラフによるデータ推移の説明まで様々です。是非、ビジネスでの英語コミュニケーション力の上達に役立ててください。
今回は、「日本のスポーツ産業の活性化」という話題です。オンライン英会話で海外のネイティブ講師とディスカッションする際のポイントを幾つかご紹介いたします。ここでのディスカッションの組み立てや、使われる英語表現を、実際のお仕事での会議や交渉の場でのビジネス英会話としてご活用ください。
目次
オンライン英会話でネイティブ講師と話してみよう! 議論の概要
2016年のプロ野球、セ・リーグ優勝の広島カープは大活躍でした。
ところで、みなさん、広島カープの本拠地球場の名前をご存知でしょうか?
広島出身の私も正式名称は知らなかったのですが、「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」です。この広島のスタジアムの観客動員数について、面白い情報を見つけました。
なんと、今年のセ・リーグ、パ・リーグを併せた12球団の本拠地球場での一試合平均の観客動員数を比較すると、全体で第4位なんです。
1.巨人 4万2千人
2.阪神 4万1千人
3.ソフトB 3万5千人
4.広島 3万人
大都市名古屋を拠点とする中日も、2016年に日本一に輝いた日本ハムも上に居ません。
ちなみに、前年、2015年の段階で、野球の成績はセ・リーグ4位でしたが、既に平均観客動員数は12球団で4位に上がっていました。
野球では、セ・リーグ4位の成績で、観客動員数では、セ・パ・両リーグ12球団の中で4位はとても立派だと思います。
実は、2009年にこのスタジアムを新設し、2010年は、2万2千人程度、12球団中で6位だった平均観客動員数を6年かけて3万人近くにまで伸ばしてきた経緯があります。
この観客動員数の伸びの一因は、スタジアムの定義を「たとえカープが負けたとしても何かしら『楽しかったね』といってもらえる球場」としたことにあるとも言われています。
実際に、子どもや老人、家族連れで行って、楽しめる仕掛けが幾つもあります(混んでいて大変ですが)。
この観客動員数の伸びも、2016年の広島カープの大活躍に、なにか影響しているのではないかと思いませんか?
では2017年に、3位のソフトバンクを観客動員数で抜けるでしょうか?
まず難しいと思います。
それは、ソフトバンクの平均観客動員数が 3万5千人なのに対し、広島のスタジアムの収容人数が3万3千人だからです。
ちなみに、今回、英語で議論していただくのは「日本のスポーツ産業の活性化」という話題です。記事では特に「収益の上がるスタジアム、アリーナの建設、改修」が取り上げられています。
経済産業省とスポーツ庁が、現在、5.5兆円のスポーツ産業の市場規模を、10年以内に2倍から3倍にするためにまとめた政策方針の1つです。
これを英語で説明するのって、とても良い練習になると思いませんか。
球場、イベント、本業の野球の成績、地域とのコミュニケーションと地域からの支持、様々な背景情報があります。
お仕事で、英語でプレゼンをされるときと同様に、情報の取捨選択をしながら、説明の構成を考えて、是非、英語で持論を展開してみてください。
オンライン英会話で、どう話す? 議論の内容
今回、英語でディスカッションしていただく記事は、「日本のスポーツ産業の活性化」という話題です。
スポーツ庁と経済産業省が共同で「スポーツ未来開拓会議」という集まりを開催し、日本のスポーツ産業活性化について、アイディアが出されました。活性化とは何かと言うと、収益を上げれるようになること。それをスポーツ人口の拡大とスポーツの周辺産業との融合から、成し遂げることのようです。
政策の方向性として、以下の5つが掲げられています。
1.収益の上がるスタジアム、アリーナの建設、改修
2.競技団体などの経営力強化、新ビジネスの創出
3.スポーツ経営人材の育成確保
4.IT、放送など他産業との融合等によるスポーツ新市場の創出
5.スポーツ参画人口の拡大(1億総スポーツ社会の実現)
そして、記事は、1つめの政策、「収益の上がるスタジアム、アリーナの建設、改修」にフォーカスした内容になっています。
スポーツ未来開拓会議の資料を調べてみてわかったのですが、野球、サッカーの海外トップリーグと日本のプロリーグの市場規模を比べると、実は20年前はほぼ変わりはなかったようです。
ところが、時が経ち、その違いはとても大きなものになっています。
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プロ野球
1995年
MLB(米国)1,693億円
NPB(日本)1,531億円
2010年
MLB(米国)7,364億円
NPB(日本)1,973億円
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サッカー
1996年
プレミアリーグ(英) 480億円
Jリーグ(日本) 481億円
2012年
プレミアリーグ(英)3,275億円
Jリーグ(日本) 728億円
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スポーツ産業の活性化について英語で話し合ってみましょう。
注意点、そして、オンライン英会話の上達のポイント
まずは注意点
オンライン英会話ならではの注意点といえば、この話題においては、やはり自国の野球チームの話しなどは、海外の人とシェアしづらいという点です。特に、そのスポーツを好きな人は熱心に説明したくなると思いますが、熱が入れば入るほど、聴き手にはわからなくなります。
誤解を恐れずに言うならば、個別のチームについての興味など相手は持っていないと考えて話す方が良いかもしれません。
これは、海外のクライアントとの会議におけるビジネス英会話でも同じです。相手を理解させたり、納得させる点においては、個人的な肩入れは、プロフェッショナルに見えなくなる可能性もあり、逆効果にすらなりかねません。注意した方がいいでしょう。
そして、オンライン英会話の上達のポイント
オンライン英会話を通じて、海外のネイティブ講師と考え方やものの見方をシェアしようとするならば、必ず客観的で明解なロジックが必要となります。それが相手の理解や納得を促進します。
そして、その上で、個人的な思い入れやファンの熱狂具合などを追加することは、海外に居るネイティブ講師にとっても、具体的で、熱感があり、自国の同様のスポーツ、イベントを思い起こす、想像力を働かせる助けとなるはずです。
これら2点は、ビジネス英会話にとっても全く同様に重要です。
(1) 理解や納得を促すための、客観的かつ明解な説明
(2) 具体的事象の熱感を伝え、聴き手の想像力を刺激する、思い入れのある話
まとめと、論点
1. 日本において、スポーツ産業の活性化が考えられている。従来では、スポーツとビジネスを切り離そうとする考えが主流だった。
2. 日本でも人気のある、野球、そして、サッカーにおいても、米国メジャーリーグ、英国プレミアリーグと比較すると、産業として成長できていなかった点が明らかになっている。
3. オンライン英会話ならでは、または海外の人とのビジネス会話での注意点として、自国のスポーツチームの話題はシェアしづらいと考えておいた方が良い。(だからこそ、相手が自国のスポーツチームに詳しかったり、こちらが相手の国のスポーツチームに詳しいと、ビジネス上の付き合いであっても打ち解け易くなることもある。)
4. オンライン英会話、また実際のビジネスにおける会話ともに、人を納得させ、動かすという点で、以下の2つは重要。
(1) 理解や納得を促すための、客観的かつ明解な説明
(2) 具体的事象の熱感を伝え、聴き手の想像力を刺激する、思い入れのある話
この議論から学ぶ、ネイティブ講師の英語表現とビジネス英会話への応用
<この議論での英語表現>
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集1
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集2
上手いビジネス英会話の作り方1 商品やサービスの顧客拡大!|会議で使えるネイティブ講師の6例文
ビジネス英会話へ応用できる英語表現集
ネイティブ講師たちとオンライン英会話で、この議論行った際に使用されていた英語表現の中から、仕事での英語コミュニケーションで使える表現を選出しました。是非、実際の職場でも使用して、お役立てください。
今回は、日本のスポーツ産業の活性化についての話題で、ビジネス英会話の練習としては、豊富な材料が揃っています。ビジネスとしての成長、ファン層の拡大、テレビ放送による拡散、人々の興味・関心を惹きつけるなど、どのような業界でも必要とされる要素が英語でのディスカッションの中に入ってきます。
1. … is a big fan of ~ :…は~の大ファンです。
2. NHK televises all the sumo matches. :NHKで相撲の全取組みを放送しています。
3. …doesn’t have the same level of interest in ~ :…は、~について同じくらいの関心があるわけではないようです。
4. The truth is, :本当のところ、
5. I’m of the view that …, although colleagues may not necessarily agree with me. :私は、…と思っていますが、同僚たちは必ずしもそうは思っていないかもしれません。
6. We are hoping to expand our business, doubling or tripling it in ten years. :私たちは、ビジネスを10年で2倍、3倍に拡大したいと考えています。
7. the current notion that … :従来の… という考え方
8. When big events come, it attracts a lot of people. / When big events come, it appeals to a lot of people. / When big events come, it interests a lot of people. :大きな大会が来ると、多くの人を引き付ける事ができます。
9. …is an absolute must. :… は絶対不可欠です。
10. It is far from ideal. :理想とはかけ離れた状態です。
【ご利用上の注意点】
1.社会人、主にビジネスパーソンを中心に、英会話力で、中級、上級者向けの練習を提供するサービスとして、このサイトを運営しております。
2.オンライン英会話の中で、実際にネイティブスピーカーの講師たちが使用した、またはアドバイスした内容をご紹介していますが、特定の個人や立場を表わす内容については編集を加えています。
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2017年 4月 23日編集