ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、ネイティブ講師とオンラインで議論するアットイングリッシュの英会話レッスン。
今回は、「子ども食堂」の話題です。英語でディスカッションする際のポイントを幾つかご紹介いたします。
<この議論での英語表現>
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集1:子ども食堂
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集2:子ども食堂
【オンライン英会話の議論の概要と紹介】
2016年のアメリカ大統領選挙では、富裕層への収入の集中などが問題とされて扱われてきたものの、それを日本から見ていると、そういった現象が日本でも起こっていることは感じているかもしれませんが、「そこまで問題は深刻になっていない。」というのが正直な感想かもしれません。
しかし、内閣府が発表している平成27年度版「子ども・若者白書」を見ると、日本が先進国の中で最も深刻な状況にある問題に直面していることがわかります。それが「子どもがいる現役世帯のうち大人が1人の世帯」の貧困率です。2010年の統計が用いられていますが、OECD加盟国34か国の中で、数値を出していない韓国を除いて、33番目。貧困率の割合にして、50.8%。つまり、子どもが居て、大人が1人の世帯の半分が貧困の状態にあり、そんな状況は、先進国(OECD加盟国)では日本だけということになります。
また、大人が2人いる世帯を含めても、子どもの貧困率は15.7%、OECD加盟国中で25番目、約6人に1人の子どもが貧困の状況にいます。この状況は、実際に、とても深刻ではないでしょうか。
そんな深刻な状況の中で、子どもたちが、無料、または低価格で食事をしっかりと摂れて、学校でも家庭でもない、第三の場所として、地域の大人たちや他の子供たち、家族たちと交流を持てる場所として、各地で自主的に設立されてきているのが「子ども食堂」のようです。現在では、地方自治体からの委託を受ける子ども食堂も出てきています。
【オンライン英会話で行う議論の内容】
「子ども食堂」をご存知でしょうか?
子供の貧困が6 人に1 人の割合にまで拡大しているという政府の調査結果が出る中、主婦や学生、地域のボランティアの人たちに支えられて、無料や低料金で子供たちとその親たちが食事できる「子ども食堂」が増えています。
まずは、食事をとれる機会を作ること、居場所を作ること、そして、親以外の大人と接する場所を作ること、などが子供たちにとって助けになるようです。最近は自治体でも、北九州市のようにNPO へ委託することで子ども食堂を運営する動きがあるようです。こういった活動の意義や運営について、英語で議論してみましょう。
【オンライン英会話での注意点と、学びのポイント】
まずは注意点からです。こういった地域のボランティア活動の話題については、英語でのディスカッションのトピックとして、選択する人、そうでない人が大きく分かれることが見受けられます。特に今回のトピックは、子どもに関連するため、子どもがいる人にとっては身近に感じられるものがあるかもしれませんが、子どもがいない人にとっては逆に身近には感じられないということもあるかもしれません。または、料理や食事、ボランティア活動に関連して、身近に感じる人、そして、そうでない人が分かれることもあるでしょう。
議論したい内容に、身近に感じる、感じない、好き嫌いが生じることは仕方ありません。また、それが生じること自体は問題ではないと思います。自然なことです。
では、問題は何かというと、話題的に身近に感じられない、好きでないといった理由で、そもそも議論に参加しないことにすると、もしかすると、とても有益な学びの機会を見逃してしまうことになるかもしれない、ということです。
これは、ビジネスにおいても、全く同じことが言えると思います。好きな案件ばかりが来るわけではなく、時には、理解しづらく、当事者意識を持ちづらい案件も来るかもしれません。そんなときは、どのように対応しますか。
今回、アットイングリッシュから、オンライン英会話で活用できるコツとしてアドバイスさせていただくのは、以下のポイントです。もちろん、ビジネスにも応用していただければ幸いです。
★身近でない話題でも、切り口を変えれば、様々な会話を作ることができる
この話題を「子どもの食事」という切り口で議論しようとすると、前述のように身近に感じられない人たちは意外に多いかもしれません。
ですが、これを「貧困層の広がり」という社会問題という切り口で捉えると、その原因なども含めて、語れることは多くなります。また、子どもがいる大人が1人の世帯の貧困の中でも、母親と子どもの家庭の方が、父親と子どもの家庭よりも貧困率で高いことを考えると、男女格差という社会問題も入っていると言えます。更には、少子化と人口減少が、日本が抱える大きな問題でありながら、その数が少ない子どもたちに貧困が広がっていくということは、どのような影響を、将来、国に与えるのかも議論に値すると思います。
もちろん、ここで国際比較をすれば、ネイティブ講師たちへの説明の説得力は格段に増すはずです。
また一方で、ボランティアの担い手たち、大人たちの心情に、議論の切り口を合せることも可能です。実は、この話題、とても興味深いと思ったのですが、そもそもは「貧困層の広がり」という社会問題が出発点なのですが、実際の話題の中身の大半は、地域のボランティア活動についてであり、その活動が、問題そのもの(貧困層の広がり)を解決する手段とはなっていません。ですが、そういった環境の中ででも、社会問題の一端と対峙して、目の前にある問題に取り組む姿勢は本当に素晴らしいと思います。
ネイティブ講師たちからの視点では、NPOの運営方法という切り口がとても興味を魅かれたようです。講師たちの国では、以前は、教会が担ってきたこういった活動を、今ではNPOが担うようになっており、その歴史的な変遷にも興味を持ったようです。日本では、どうでしょうか。
このように、切り口は無数にあり、そして、そこから多彩な議論が展開できます。
これは、ビジネスでも、切り口を変えてみれば、同じ案件でも様々な捉え方ができて、進め方も、まとめ方も無数にアイディアが出てくることと同じです。もちろん、英語でそれを行っているときもです。
【まとめと、論点】
1. 日本における、子どもの貧困率の上昇は、深刻な状況にある。
2. 子どもを、食事と居場所、そして、親や先生ではない大人との触れ合いという観点で支援する「子ども食堂」が増えている。
3. 病院や、自治体が関与する「子ども食堂」も出てきた。
4. オンライン英会話で、身近でない話題、興味の無い話題に遭遇した際でも、議論の切り口を考えることによって、様々なイシューを抽出して、対応することが可能。
ネイティブ講師による、オンライン英会話の@English(アットイングリッシュ)では、ネイティブ講師とのディスカッションを通じて、ネイティブならではの英語フレーズや話し方をトレーニングするカリキュラムをご用意しています。
無料の体験レッスンもありますので、ぜひ一度お試しください。
【ご利用上の注意点】
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2016年12月5日編集