ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、ネイティブ講師とオンラインで議論するアットイングリッシュの英会話レッスン。
今回の記事は、「20代、30代の女性の転職が増加している」という話題です。英語でディスカッションする際のポイントを幾つかご紹介いたします。ここでのディスカッションの組み立てや、使われる英語表現が、実際のビジネスでの会議でもお役に立てれば幸いです。
<この議論での英語表現>
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集1:女性の転職
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集2:女性の転職
【オンライン英会話での議論の概要と紹介】
この英字新聞記事のテーマは、もちろん、若い女性たちの転職ですが、私がこの記事を読んで、頭に浮かべたのは、マルコム・グラッドウェルが書いた、2009年のベストセラーのビジネス書籍「天才!」(「OUTLIERS」)という本です。ご存知の方も多いでしょう。勝間和代さんが翻訳したことでも有名になりました。
ちなみに、OUTLIERというのは規格外れ、外れ値のことで、「中心やその近くの集団から、著しくかけ離れた地点や、まったく異なる分類に属する存在」を指すのですが、これがつまり「天才!」ということなのですが、外れていれば良いというわけではなくて、幾つかの法則、条件に、その外れ方が沿っているときに「天才!」となる、という話しです。あくまで私の解釈ですが。(この本の副題は「成功する人々の法則」となっています。どのような法則かご興味のある方は、是非、読んでみてください。)
この法則の1つが「生まれ年」と「場所」でして、歴史上の世界の富豪ベスト75を調べたところ、その中の実に14人が、19世紀のある10年間に生まれたアメリカ人だったのだそうです。
だいぶ長い前置きになり恐縮ですが、この記事では、ある年代に日本に生まれた女性たちが、大学を卒業し、就職する際に大変な苦労をし、その20年後、彼女たちの転職率は、他の世代の女性たちの2倍、そして、男性の転職率以上に跳ね上がったという話しです。
もちろん、女性の社会進出が進み、転職で選択肢が増えたという意味では、明るい話題でもありますし、ビジネスの経験を積み、転職へと動く、その世代の女性たちを有望な人材として採用に動く企業もあります。
是非、ご自身で英字新聞記事を読んで、議論してみてください。
【オンライン英会話で行う議論の内容】
20 代後半、30 代前半の女性の転職が増えていることに気づいてますか?
総務省による、2014 年の労働力調査のデータによると、2014 年に転職した男性は男性従業員全体の5.6%、転職した女性は、女性従業員全体の3.8%ですが、25 歳~34 歳の女性従業員に限ってみると、7.6%が転職しており、3 年前と比べて2 倍になっています。
この世代の女性は、新卒の時期に就職氷河期を経験し、思い通りの就職ができなかった上に、今、人生の中で、結婚や出産を考えてワークライフバランスを見つめ直して行動しているという分析が紹介されています。
背景として、人材不足や政府の方針から、企業が女性従業員の採用、幹部となるような育成に注力し始めたという見方もあります。
転職サイトの編集者からは、慎重に動くことも勧められています。ワークライフバランスの中での仕事の選択、企業の採用方針の変化などについて、考えてみましょう。
【オンライン英会話での注意点と、学びのポイント】
まずは注意点からです。社会問題を取り扱うとき、比較的に容易なのは悲観的な議論を展開することです。実際に、この記事のテーマも、悲観的に解釈しようとすれば材料は幾つもあります。
-就職氷河期を経験した年代の女性たちの転職率が高い
-年代的に、結婚、子育てなどでキャリアが中断されることも多い
-この年代の転職率は、同姓の2倍、そして、男性の転職率よりも高い
など
これは、ビジネスでも同じことだと思います。会議の中で案件が出てきたとき、悲観論を展開するのは簡単ですし、失敗する危険を排除できる、とも言えます。ただ、これは同時に成功する機会も見逃すことになり、それが競争であれば、他社や他者が成功するのを待っているだけ、とも言えます。特に、英語を話す、西洋文化圏のポジティブな言動、言葉を発するビジネス・カルチャーの中では、こういった取組み方では評価はされないですし、成功も難しいかもしれません。
【学びのポイント】
悲観的な議論を展開するのは容易ですが、同時にいつも、前向きに建設的な議論をする余地もあるはずです。是非、前向き、建設的な着眼点を養ってみてください。
今回の、女性たちの転職の話題であれば、例えば、
-就職氷河期で苦労しているため、自己啓発の意欲も高く、高いレベルの英会話をはじめ、転職に有利となる技能を有している
-同じく、就職氷河期で希望する企業、職への就職が難しかったため、自分自身の仕事における目的意識や希望を明確に持っている
-結婚や出産を経て、ワーク・ライフ・バランスにも目を向けながら、高い次元で効果的、効率的に働くことを考えている
-これらの特徴を評価する企業も出てきており、彼女たちの中途採用に積極的であったり、または、更なる自己啓発を補助する動きもある
といった内容です。
奇しくも、前文でご紹介した「天才!」という本でも、似たようなケースが紹介されています。かつてアメリカで、敵対的買収など商業的な訴訟は卑しく、一流の弁護士事務所が取り扱うものではなかったものの、ある階層、ある人種の人たちがその分野を担っていたものの、ある時、時代が代わって、ビジネス分野の訴訟が主流となったときに、そこで経験、実績を積んできた、その人たちが主役に躍り出た、と紹介しています。
ネイティブ講師による、オンライン英会話の@English(アットイングリッシュ)では、ディスカッションを通じて、ネイティブならではの英語フレーズや話し方をトレーニングするカリキュラムをご用意しています。
無料の体験レッスンもありますので、ぜひ一度お試しください。
【まとめと、論点】
1. 20歳代後半、30歳代前半の女性の転職が増えている。
2. その背景には、その世代の女性たちが、大学卒業時の就職で氷河期と呼ばれる大変な時期を経験したということがある。
3. 企業側のスタンスは、就職氷河期の時代と違い、女性従業員の採用や、幹部となるような育成に注力し始めている企業が増えている。
4. 議論では、悲観的な見方をすることは容易ながら、前向きな、建設的な着眼点を持つことが大切である。
5. 英語を話す、西洋文化圏のビジネス・カルチャーでは、特に前向きな、建設的な着眼点を持つことが求められる。
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2016年12月29日編集