ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、ネイティブ講師とオンラインで議論するアットイングリッシュの英会話レッスン。
今回の記事は、「本、雑誌の販売減少について」という話題です。英語でディスカッションする際のポイントを幾つかご紹介いたします。ここでのディスカッションの組み立てや、使われる英語表現が、実際のビジネスでの会議でもお役に立てれば幸いです。
<この議論での英語表現>
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集1:本、雑誌の販売減少
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集2:本、雑誌の販売減少
【オンライン英会話での議論の概要と紹介】
なるほど、なるほど、連続11年間、販売売上減少か。。。
今回は、本、雑誌の販売減少の話題です。
記事によると、今でも小説はヒット作が出れば、バンバン売れるそうです。
でも、そういったヒット作の売上をかき消してしまうほど、減少幅が大きいのが、雑誌なのだそうです。
そういえば、私も以前、毎月楽しみに購入していた女性誌 Domani を、いつの間にやら、トンと買わなくなっておりました。
ちなみに最新号の特集は、
『何が違うの?彼女と私の「ベーシック」』
働く女性が、いつの時代も必要とするベーシックアイテムとして、5人のスタイリストさんが、黒ジャケット、タイトスカート、タックパンツ、Tシャツ、白シャツを解説して下さるそうです。
キャッチコピーには思わず魅かれますが、来月、再来月と、買い続ける自分を想像するのは、ちょっと難しいかな、、、一体なぜ、でしょう???
今朝(2016年8月2日)、関連して面白い記事を2つ見つけました。
1つめは、日経新聞13ページ。
全国600の書店で、80誌について、「売れ残り割引」が始まるそうです。
一定期間経過した雑誌は、100円引き みたいな感じで。
日本では、本は定価が決められている再販制度があるため、値引き自体が難しく、珍しい感があります。
「100円の割引で雑誌が売れるとは思えない。」という冷ややかな意見がある一方で、実験的に試した際には、売れ残りの返品が大きく減少したそうです。
2つめは、雑誌ではなく新聞の話ですが、東洋経済オンラインの記事です。
米経済紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)を持つ、米メディア企業 ダウ・ジョーンズのCEOのインタビュー記事なのですが、そのCEOが、現在、WSJのデジタルのみの購読者が約45%になっており、来年はデジタル購読者数が紙の購読者数を超える「記念すべき年」になることを予測していました。
私は、Domaniがオンライン誌になってくれたら、見るのかな…。
そんな中、私が最近、この雑誌はずっと残るのではなかろうか、と思った雑誌があります。
それは、結婚情報誌です。
先日、親戚の家のテーブルに置いてあって、ふとそんな事を思ったんです。
あれだけは、残るんじゃないかなぁと。
あの広範で詳細な情報を、ネットで見ていくと、自分の興味のあるテーマに引っかかる度にどんどん検索が進んでいってしまって、キチンと全部カバーできないんじゃないかなと思うんです。
あの分厚い雑誌で、とりあえず全部カバーし、そこから個別テーマを詳細に検索していった方が効率的で、しかも安心できるかな、と思っちゃいました。
ところで、あの、テーブルの上にあった結婚情報誌は、一体誰のためのモノだったんだろう??
【オンライン英会話で行う議論の内容】
最近、何か本を購入した憶えはありますか?
公益社団法人の全国出版協会の調査によると、2015 年の本(紙の出版物)の販売売上は1 兆5,220 億円で、前年比で5.3%減少していたそうです。これは、11 年連続の売上減少になります。特に売上の落ち込みが大きかったのは、月刊誌、週刊誌といった雑誌、それにコミックだったようです。
これは、私たちが文字を読まなくなってきた(活字離れ)ということなのでしょうか、それとも、紙の出版物がebook に変わったのでしょうか、または、出版物を見ることに費やしていた時間を他に費やすようになったのでしょうか。
ご自身が見ている文字数自体が減りましたか? または、ebook をよく読むようになりましたか? それとも、何かこの11 年間で、本を読む代わりに、時間を大きく使うようになったものがありますでしょうか?
【オンライン英会話での注意点と、学びのポイント】
まずは注意点から。先入観を無くして、記事を読むこと。それが今回の注意点です。
書籍の販売数減少や、書店の苦境といったことは、既に語られ慣れた感がありますが、それらは、この記事が伝えようとしていることの背景でしかありません。また、言い古された、若者の活字離れといったことも、ある意味、既に的外れになっているとも言えます。何しろ、インターネット上で活字を読む量は膨大に増えているようですし。
この先入観の排除は、英字新聞記事でのディスカッションに限らず、もちろん、ビジネス上でもとても重要だと思います。
「あ、この話しはもうわかっている。」と思っても、状況は刻一刻と変化しています。調査結果や記事、資料を見るときには、先入観を排除して、そこに表れているものを客観的に読み取ることが必要です。ましてや、外国人との会議や、多国間でのテレカンファレンスといった状況であれば、文化的な要因も含めて、こちらが考える状況とは異なる場合というのは、頻繁に起こり得ます。
【学びのポイント】
先入観を排除し、内容(数字)を理解した上で、それを議論の土台としましょう。
少し、この記事で紹介している数字をご紹介させていただきます。全国出版協会の調査結果をベースとしています。
(2015年販売売上の前年対比。但し、オンライン上の出版を除く)
本と雑誌の売上:5.3%減
その内、雑誌の売上:8.4%減
月刊誌の売上:7.2%減
週刊誌の売上:13.6%減
いわゆる本の売上:1.7%減
この数字を見ると、どの部分が浸食されているかは明らかです。本に比べて、情報の早さが求められる雑誌の売上の浸食は顕かで、中でも、週刊誌は顕著です。
ここで、ようやく議論の土台が整いました。
情報の早さが求められる書籍媒体ほど、売上を落としている。飽きられたのか、それとも、他の媒体へ読者が移動したのか。そして、重要なことは、「なぜ」それが起こったのかを議論の中で考えることです。
ネイティブ講師による、オンライン英会話の@English(アットイングリッシュ)では、ディスカッションを通じて、ネイティブならではの英語フレーズや話し方をトレーニングするカリキュラムをご用意しています。
無料の体験レッスンもありますので、ぜひ一度お試しください。
【まとめと、論点】
1. 2015年の本と雑誌の販売売上は、11年連続での減少となった。
2. ただし、その減少の詳細情報を見ると、情報の早さが求められる雑誌が大きく売上を落としていることがわかる。
3. 書籍の販売売上減少ということで、既に知った話題と先入観を持ってしまうと、この記事が紹介する数字の意味を考えるところまで進めないが、先入観を持たず、客観的に記事の示す数字を理解すると、見えてくるものがある。
4. ビジネスにおいても、先入観に縛られないことは重要であるが、外国人との会議や、多国間でのテレカンファレンスなどでは特に、文化的な違いなどもあるため、先入観を捨てることは重要になる。
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2017年1月2日編集