ビジネス、経済、テクノロジー、文化、生活、法律など、時事問題から最近の生活情報まで、ネイティブ講師とオンラインで議論するアットイングリッシュの英会話レッスン。
今回の記事は、「大統領選での既成政治家以外の候補の躍進」という話題です。英語でディスカッションする際のポイントを幾つかご紹介いたします。ここでのディスカッションの組み立てや、使われる英語表現が、実際のビジネスでの会議でもお役に立てれば幸いです。
<この議論での英語表現>
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集1:アメリカ大統領選
ネイティブ英語でセンスよく表現!例文集2:アメリカ大統領選
【オンライン英会話での議論の概要と紹介】
Change we can believe in.
憶えてますでしょうか?
2008年アメリカ大統領選挙本選での、オバマ氏の掲げたキャンペーン・スローガンです。
テレビニュースで見る、選挙戦の集会場には、Change と書かれたボードを手にした人々が溢れ、そして、Yes, We can! の掛け声が響いていた記憶があります。
あの当時のアメリカの人々は、何を変えようとしていたのでしょうか。
今回の「最新記事で伝わる英会話」は、2016年のアメリカ大統領選挙の話題、「有権者からの不信を顕わす、大統領選での既成政治家以外の候補の躍進について」です。
記事は2016年2月の時点のもので、民主党と共和党での指名獲得のための予備選挙の様子が伝えられています。
最低賃金の上昇や公立大学の無償化を唱えた民主党のバー二―・サンダース氏、そして、過激な発言が批判されながらも共和党で指名を獲得したドナルド・トランプ氏の躍進の背景には、有権者からの既存の政治家への不信がある、としています。
Change(変革)を掲げた大統領選から8年、今回の大統領選挙で人々が意識した不信は、何に基づいていたのでしょうか。
記事を読み解きながら、議論してみましょう。
【オンライン英会話で行う議論の内容】
2016 年のアメリカ大統領選挙は、予備選挙の段階で民主党、共和党ともに、従来の政治家
とは異なるタイプの候補者が善戦しています。
民主党(the Democratic Party)のサンダース候補は、民主社会主義を唱え、巨大金融機関の解体や公立大学無償化をうったえています。
また、共和党(the Republican Party)では、不動産王、ドナルド・トランプ候補が違法移民
の強制送還やイスラム教徒の入国制限、TPP の見直しなどをうったえています。どちらの
候補も、今と将来の生活の不安定さを感じる人々の、いわゆる社会の支配階層(establishment)への反感と既成政治への不信感を追い風にしていると、記事では解説して
います。
また、こういった選挙戦自体が、国内国外からのアメリカという国に対する信頼に影響を及ぼしかねない、とも分析しています。2 月から11 月まで続くという長期の大統領選挙の仕組み、候補者たちの主張、有権者の心情など、自国と比較しながら考えてみましょう。
【オンライン英会話での注意点と、学びのポイント】
まず、注意点から。2016年11月の大統領選挙の結果から考えると、日本で広く報道されていた内容と、実際にアメリカの有権者たちが考えていたこととでは、大きな乖離があったようです。
また、アメリカの中でも、新聞やテレビを中心とした従来からのメディアの採り上げ方と、インターネット上でのSNSなどにおける情報の広がりでは、随分と違いがあったようです。
既に選挙結果を知っている段階で、この話題でディスカッションするのであれば、是非、自分たちが大統領選挙前に聴いていたことを繰り返すだけの発言に終わって欲しくはないと思っています。
ビジネスでも、よくあることですが、自分サイドの情報や考えに接しているだけでは、全体像、事の真相は見えてきません。自分の考え、または自分が信じているものから、一旦、離れて、客観的に全体を俯瞰する練習をしてみてください。
【学びのポイント】
折角、北米にいるネイティブ講師たちと議論するのですから、実際、人々が何を願っていたのか、どんな情報を得て、どう判断したのか、生の声を、誰かが訳した日本語の説明ではなく、英語そのままで耳にしていただきたいと願っています。
ただし、異文化交流の中でタブーと言えば、宗教と並んで、政治がいつも挙げられます。話す相手が実際の大統領選をどう見ていたのか、誰を支持していたのか、その結果をどう捉えているのか、偏見を持たず接し、そのことで相手をジャッジせず、あくまで世論の一角として考えてみてはいかがでしょうか。
この記事でのディスカッションとして、興味深いイシューを2つご紹介させていただきます。
(1) Changeをうったえたオバマ大統領は、8年間の任期の中で、何を変え、何を変えなかったのでしょうか。
(2) 既存の政治家ではない、サンダース氏とトランプ氏、この二人の共通点と相違点は何なのでしょうか。民主党と共和党、その両方で既存の政治家以外の候補が支持を伸ばした理由は何なのでしょうか。
ビジネスに関連した内容としては、この話題は「傾聴」を練習するのに、とても適した話題だと思います。英語圏で「リーダーシップ」を学ぼうとすると、そのスキルの中に必ず「傾聴」が入っています。傾聴とは、簡単に言えば、相手の話しをそのまま受け止めることです。もしかすると、あなたとは違った見方、違った視点、違った意見かもしれませんが、相手の発言を相手の目線をそのまま受け取って、理解しようとすることです。政治や社会現象の捉え方は、本当に人それぞれです。是非、傾聴を試して、自分の考えに固執せずに全体像を頭に描く練習をしてみてください。
ネイティブ講師による、オンライン英会話の@English(アットイングリッシュ)では、ディスカッションを通じて、ネイティブならではの英語フレーズや話し方をトレーニングするカリキュラムをご用意しています。
無料の体験レッスンもありますので、ぜひ一度お試しください。
【まとめと、論点】
1. 2016年のアメリカ大統領選挙では、予備選の段階で「outsider」とも称される、従来の政治家ではない候補が、民主党、共和党、共に支持を広く集めた。
2. 共和党のトランプ氏、民主党のサンダース氏は、一見、正反対の主張を持つように見えながら、どこか共通しているものがあるかもしれない。
3. 結果から考えると、日本で広く報道されていた内容と、実際にアメリカの有権者たちが考えていたこととでは乖離があった。
4. アメリカ国内でも、新聞やテレビなどの従来メディアと、インターネット上のSNSなどのメディアでは、その採り上げ方、内容に随分と違いがあった。
5. 政治の話題は、注意して話すべき話題ではあるが、実際に北米に住むネイティブ講師たちから生の声を聴く機会を活かして、英語の練習にとどまらず、見識を広げてみてもらいたい。
6. 自分自身と全く異なる意見の人たちから話しを聴く場合など、リーダーシップのスキルの1つである「傾聴」は役に立つはず。英語で傾聴を練習する機会として捉えて、ビジネスの場でも役立てるように、議論の中で練習してもらいたい。
【ご利用上の注意点】
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2016年12月27日編集