単なる成功談だけでは物足らないと思いませんか?
印象に残るのは、むしろ失敗や葛藤を通じて、「自分の考えの盲点に気づかされた経験」から、自分の視野がどう広がり、どのように行動を変えたかを語れるような人です。
異なる価値観に触れ、考えの盲点に気づけた経験は、特にグローバルな職場で求められる重要な資質──「他者から学び、変化を受け入れられる力」を象徴しています。
そうした経験をどう言語化し、相手に伝えるかで印象は大きく変わります。面接官に響く一言とその構成例をご紹介します。
【「考えの盲点」に気づいた経験の伝え方】
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At first, I struggled to understand their point of view, but their feedback helped me realize a blind spot in my thinking.
相手の意見に最初は納得できませんでしたが、そのフィードバックがきっかけとなり、自分の中にあった思い込みや偏りに気づくことができました。
★面接で与える印象・アピールできる資質★
柔軟性(Openness):自分の考えを見直すことを恐れない
自己認識(Self-awareness):自分の限界を理解できる
他者理解(Empathy):異なる視点に耳を傾けられる
学びの姿勢(Growth mindset):経験から成長しようとする意欲
コミュニケーション力:相手の意見を受け入れ、変化を起こす力
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英語圏の面接文化では、「変化」「適応」「学び」を重視され、自分の弱さ・失敗を起点に成長を語れることは信頼と成熟の証にもなるでしょう。
また、“blind spot”や“feedback helped me realize”などの表現は、言語のレベル感も高く、知的な印象を与える(realizeは、受け身でなく、自分で気づく印象)こともできます。
ただし今回は、通常のビジネスシーンに応用する際には、注意を要します。
まずは、チームメンバ-とのカジュアルな会話例(上司やクライアントには使えないので、必ず後ろの説明を読んでください)
Honestly, I didn’t quite get their point at first, but what they said made me rethink things. I realized I’d been stuck in one way of looking at it.
正直、最初は相手の言いたいことがピンとこなかったんだけど、話を聞くうちに考え直すきっかけになったよ。自分の見方が偏ってたって気づいた。
【重要】 上司やクライアントを相手にする際は、「苦労」や「誤解」、否定的なニュアンスは一切消します
避けたい表現と代替表現
<避けたい表現例>
1)I struggled to understand(苦手意識、能力不足に見える)
2)I didn’t get your point(カジュアル過ぎて失礼)
3)We had a disagreement(対立を強調してします)
4)It was hard to see why(理解力不足)
5)I misunderstood your request(自分のミスを強調し過ぎ)
<代替表現>
1)I initially had a different understanding / It wasn’t immediately clear
2)Your perspective brought something new to light / I hadn’t considered that angle
3)We had different starting points / We explored a range of perspectives
4)After reflecting on your point, I realized the broader implication
5)There was a slight gap in our initial understanding, but your clarification helped us move forward.
<上司、クライアントへの対応を描写する際の三原則>
(1)否定的な語は避ける(”struggle” や “confused” は控えめに)
(2)謝意・再考・対応を含める(“Thank you” 、“I reflected” 、“I revisited”)
(3)指摘を前向きに活かす姿勢を伝える(成長や行動変化につなげると好印象)
以上を踏まえた上でのビジネス英語例文
【上司との1on1やフィードバックの場面】
「指摘されたことを真摯に受け止めている」姿勢を自然に示す。
Your feedback made me realize that I was overlooking an important aspect. I’ve reflected on it and adjusted my approach accordingly.”
ご指摘いただいたことで、大事な点を見落としていたことに気づきました。それを踏まえて、進め方を見直しました。
【クライアントとの遣り取り】
「最初は見解に違いがあったが、理解しようと努め、改善した」という姿勢を伝える。相手の立場を尊重し、関係を築くことが目的。
Thank you for your feedback. It helped me see things from your perspective and realize an area we hadn’t fully addressed. We’ve made some changes based on that insight.
フィードバックをありがとうございます。おかげで御社の視点から見直すことができ、私たちが十分に対応できていなかった点に気づくことができました。その気づきをもとに、いくつか変更を加えました。
よろしければ、ご参考にされてください。